國崎出雲の事情 5 (少年サンデーコミックス)/ひらかわあや



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「それだけ強い思いがあるなら、
お前が今も貫き通してやってるこの歌舞伎、
見せつけてやりゃいいじゃねェか!」


國崎出雲の事情5巻
ひらかわあや・少年サンデーコミックス
(週刊少年サンデー掲載)


★あらすじ★
國崎出雲16歳、男。しかしそこらの女の子より超絶かわいい!!
息子萌えの父が危ないので別居していたが、なぜか歌舞伎一家の國崎家へ戻ることになってしまった。
腐っても國崎家の跡取り、梨園が放っておくわけがない。男にばっかりモテて苦しむが、家のために嫌っていた「女形」に何度も挑むことになる?!

「斬歌舞伎」の役者薊清良から合宿に誘われた出雲だが、梨園を憎む清良がいろいろな手段を使い出雲を潰そうとする。
清良が梨園にこだわる理由を探す出雲と愉快な梨園の御曹司たちだが‥?!

また、いつもは男ばっかりモテる出雲に、美少女が突然迫ってきた!!慌てる出雲だが実は‥?!

女の子にしか見えない出雲と梨園のイケメンが新しすぎる世界をを開くカオス漫画!!


☆☆☆

「神のみ」に次いでサンデーの救世主的作品だと勝手に思っています。サンデーは元々ジャンプに比べ対象年齢が高く、女性も読めるきれいめの絵で少しマニアックな雑誌。非常にサンデーらしい漫画です。
井上和郎の「葵デストラクション」(父親が萌えキャラ)を初め、「男の娘」に関してサンデーは老舗です。ただし最近の「出雲」は男の娘漫画を越えはじめ、とんでもない場所に到達しそうな気がします。

主人公出雲は父親から逃れるため別居していましたが、ひょんなことで國崎家に出戻り。
しかし出雲には女形の才があり、見事に舞台を完成させていきます。
なんで芸能科のクラスメイトが出雲の正体に気づかないのか等イロイロ変なのですが、「コメディ」だからいいんです!(笑)


ヤバい表紙の5巻(笑)。目玉はおそらく新キャラ・志賀累のエピソードだと思われますが、自分としては最後に収録されている名題試験&定期テストを両方受けなければならなくなった出雲の話やジャ●の友達が歌舞伎を見に来る話が面白かったです。


歌舞伎役者なら受けなければならない「名題試験」。落ちれば末代までの恥。
というか今まで主役張っていたのヤバかったんじゃないかと(笑)思いますが、歌舞伎を殆ど知らない出雲に「アブない御曹司」たちが一生懸命サポートします。
個性のどぎつい連中なのでサポートは空回りしますが、この回唯一紗英が役に立ち、出雲は「お前が一番ホッとする」と言い出します。

4巻でも指摘しましたが、他の御曹司と違い紗英とだけは何故かマジ展開になるんですよね。
出雲を愛するあまりに体を張ってバカなことしたり不憫な目にあったりしている紗英。

最初はナルシスト気味で普通科の女子にひどいことをするよくある「いけすかないヤツ」でした。ルックスも自分大好きな感じで正直好きではない方です。

こういう系のキャラは漫画になくてはならない存在ですが、話が進むとギャグキャラに落とされたりスルーされます。
ですが紗英は出雲に真剣なため、出雲に説教したりなだめたり。マジな時にはマジな描写になり、ツッコまれもしない‥紗英は「出雲」で一番出ずっぱりだし、かっこいいと感じるようになりました。
ナルシスト系のキャラがメインを張る漫画は非常に珍しいんではないでしょうか。

紗英と出雲が着々と仲を深めているように見えるので、出雲は本当に女の子なんじゃないのかとウッカリ考えてしまいます(女の子だったら話はつまらなくなるのでありえませんが)。

男の娘マンガは恋が実らないからこそのドタバタを楽しむものだと思っていましたが、ドタバタしなくてもアリなのか‥と考えさせられるのです。

紗英は出雲を女の子だと思い込んでいますが、もし真実を理解したらどうなるのか‥「構わない」と開き直るんだろうけど、漫画だからそこまでしなくていいと思います。

また、梅樹が名門の長男であり歌舞伎については連中のなかでトップというエピソードも出てきます。出雲と仲いいのは紗英ですが、歌舞伎は梅樹という役割分担が始まっているんですね。
ただ、松樹が今まで一回しか舞台に出てないのが気になります。


さて、今回の目玉である志賀累のエピソードについて。
実は最近アレが始まってサンデーを買いはじめました。ただ「コミックス未収録分」をわからないまま受け入れなければなりません。
また、ネットから「出雲に新しいキャラが出たらしい」という情報も入ってきます。

しかし、本誌を読んでいても「そのキャラ」がどこにいるのかわからなかった。レギュラー格ときいていたはずなんだけど‥?

5巻を読み、ちょっと納得してしまいました。

志賀累は出雲に弟子入りする新しい男の娘キャラです。出雲は女形をやることすらイヤなので断りますが、累は揺るがない。出雲は試練を課しますが‥

現在、本誌でモブ的に累が存在しているんですが、累が出てきて具体的な行動をする場面に出会っていません。累のキャラが読者に受け入れられなかったのではないかと思います。

累は家が貧乏で高校に上がれない。かといって就職先も見つからないので國崎家に住み込もうとしています。ハングリーでなかなか男らしい。

だけど彼はハングリーゆえに、お色気行動を進んでやってしまう。
出雲がかわいいのは、出雲が意図せずやっちゃう行動が萌えるからでして、計算づくの萌えはそそらないんです。

先輩女形の加賀斗ですら完全に使いこなしているとは思えないので、後輩キャラは時期尚早だったんじゃないかと思いました(ただし加賀斗は今回すごい見せ場があった!)。


あと、薊清良の斬歌舞伎編ですが練習や舞台をきちんと見せなかったのが疑問です。せめて清良の演技が上手だとわかる場面は欲しかった。佐倉伊織は再登場して欲しいなと思います。素直でヘタレな感じはこれからの展開にいきるのでは。


先生はまだ初連載だし、試行錯誤しながら話を作っているんだと思います。現在本誌は「相次ぐトラブルに立ち向かう出雲+愉快な御曹司」のパターンに落ち着いたようなのでこのままでいてほしいです。何しろサンデーの新人としては稀有な「安定性(ストーリーに穴はあるけど全体的には落ち着いているし絵柄がとにかく見やすい)」を持つ方ですから。

それにしても番外編、すでに女性読者向け‥。あとカバー裏にプロフィールが入りはじめました。これからが非常に楽しみです。
それからもし「男」の出雲がくっつくなら、幼なじみの柚葉よりライバルの杏李の方が合ってないか?と考えはじめています。

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