進撃の巨人(4) (少年マガジンコミックス)/諫山 創



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「どうしてだって‥?
そんなの‥決まってんだろ
オレが!!
この世に生まれたからだ!!」


進撃の巨人4巻
諫山創・マガジンKC
(別冊少年マガジン掲載)


★あらすじ★
107年前、突然発生した巨人が人類の殆どを食い尽くした。
エレン・イェーガーも巨人に母を喰われ、ミカサやアルミンと共に軍隊に入る。
エレンは一度巨人に食べられてしまったが、何故かその巨人を動かすことができるように。絶体絶命の現在、そのあやふやな力でウォールローゼを守ろうとするが、エレンの意識が乗っ取られそうになり‥?!

創刊間もない別冊マガジンをいきなり支えた衝撃の少年漫画。


☆☆☆

新しい作家、新しい漫画が生まれにくい今の時代。今年元気な漫画はこれだけではないかと思います。


人間のカタチはしているものの性別も知性もない巨人。大砲で頭を潰しても数分で復活、うなじの肉を切り取らない限り不死身。捕食しなくても生きていけるはずなのに、何故か人間だけを食べにやって来ます。
不可解で意味不明な存在です。

4巻でさらに衝撃だったのは、兵士たちが巨人の吐瀉物を片付けるシーン。巨人は捕食しなくていいので、人間を食べたらそのまま吐き戻してしまうのです‥
じゃあ、食うなよ!!
この理不尽さ、巨人への怒りが読者をさらにのめり込ませるのだと思います。
たんに「面白い」から読まれるのではない。不思議なもんで、私たちは怒りや悲しみを得ようとして読書をするときがある。この漫画はそちら側を満たしてしまうのです。


それから4巻では途中から突然、エレンたちの入隊時代へ話がさかのぼります。
上官の前でただ芋を食べるサシャは印象深いというかなんというか。叱られると「お、おなかがすいてるんだな?」と芋を半分差し出す。
バカにしているわけではなく彼女の生活環境が影響しているのですが、一体どうしたんだろうと悩んでしまいました。
脈絡なく回想に入ると、引き延ばしかとついつい考えてしまいます。3巻の冒頭で調査兵団の話が来たのも面食らいました。

ところが不思議な繋がり方をしています。エレンではなくジャンの感情へ話がおさまるのです。
同期の仲間はすでに何人か死んでいます。けれど過去には皆いたのです。ジャンは仲間の無残な姿から、埋もれた記憶を呼び起こしてしまったのでしょう。
いつもはエレンと意見が対立するジャンですが、なくてはならない存在になりますよね。あと、アニも。そしてサシャも。


ところでサシャの話に戻りますが、過酷な環境で生きていたからいつも食べていなければならない‥彼女の土地の人はみなそうなんですよね。
その土地と中央が情報で繋がっていれば、彼女がその行為を恥じるはずだった。現代はどうだろう、情報のない社会はまだあるけれど、戦いの感覚は同じでは‥?彼女の土地は戦いより生存が優先されているわけです。

ミカサみたいに「人種」じたいが違っていなくても、繋がりがなければ地域は特殊になる。
逆にサシャの常識はずれな部分は強みになるかもしれない。しかし皮肉にも107年前巨人が作り出したものです。
人間が巨人に勝ったら勝ったでその逆やぶりかえしが出てくるんでしょうけど。

あと、エレンのように巨人になれる人間は他にもいるでしょう。もしあのでかい巨人が‥だったら、最悪の事態になりますね。

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