王狩(2) (イブニングKC)/青木 幸子
¥570
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王狩2巻
青木幸子・イブニングKC
(イブニング掲載)


★あらすじ★
久世杏は瞬間記憶能力を持つ女の子。小さい時から将棋を始め、現在男子と一緒に奨励会にいる。そこは単に子供が将棋で遊ぶ場所ではない。勝ち上がれなければ絶望にはまり込む泥沼だ。
優勝すれば奨学金が貰えるという「新星戦」に挑む杏とライバルたち。杏はまだ2級ながら、段を持つ相手を次々と倒していく。
瞬間記憶能力は今まで杏の助けになるどころか足をひっぱっていた。しかし綿貫との戦いで杏の「何か」が変わりはじめて‥?!

若さに相反する苦い戦いを躍動的に描く将棋漫画。


☆☆☆

つい最近青木先生の作品に出会いすっかり引き込まれてしまいました。1巻がまだ序盤の序盤だったため、2巻を待ち望んでました!

このごろとかく将棋の漫画が多い。けれど皆、いろいろな角度から、いろいろな手法で書いているため飽きないです。こちらは将棋の「し」の字も知らないのに‥

そしてこの「王狩」はさらに変わった書き方をしています。盤の上で杏は槍を、オッサーは弓を、高辻は刀を持って戦いを具現化しているのです。
正直「トンデモ」に見えなくないやり方ですが、速さと迫力はこちらに伝わってきます。ヒカルの碁(囲碁ですが)のように指す瞬間効果線がバッと出るやり方だって、よく考えると同じくらいトンデモですから。


で、主人公の杏が「女の子」であるために、将棋界を注目させたかったり商売をしたがる大人がいろいろ出てきます。
将棋はスポーツではないですが、スポーツだって「新星」とか「若手」とか「イケメン」を立てていかないとやっていけない世界。本当は好きで好きで愛してやまない人だけのものなのに、どうしても利用していかないと競技は立ち行かない。
新星戦のスポンサーである井村はまったく将棋を知りませんが杏との出会いで何か変わるでしょうか。


1巻で綿貫毬乃が杏に対し「記憶」による卑劣な手を使ってから、杏は2級でありながら勝ち進んでいきます。そして優勝候補の日佐と準決勝に。
杏の事を知り尽くしている日佐は、杏が記憶につられて勝負を見誤るように戦いを進めていきますが、杏の変化に気づきます。

毬乃との戦いで「父の死」を無理矢理掘り起こされた杏。ただその悲しみと引き換えに、記憶したものをすぐに掘り起こす力を身につけたのです。


人間は本当は、今までに見たもの全部脳に記憶されているといいます。しかし記憶をうまく掘り出せないから「忘れる」ということになる。
杏は将棋に関係なかったりまったくどうでもいい記憶も引き出し瞬時に繋げて次の手を考える。これはもう「直感」に近いものです。

戦いの中で成長するあたりが少年漫画っぽいっちゃぽいですが、将棋を知らない自分からすれば読みやすいです。


さらに、「記憶」の断片に杏の気持ち、杏の考えがくっついてくるともっと強くなれるのではないでしょうか。杏は将棋をやっているわりにそれ以外フツウの女の子で非常に感情的ですから、これが意外と役に立つんじゃないかと。


そしてようやく関西にいる園川が出てきました。「茶柱倶楽部」で先に出てきちゃったんですよね。2巻の終わりに出てきてしまったので、この登場は遅すぎる(笑)。

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