妖怪のお医者さん(15)<完> (少年マガジンコミックス)/佐藤 友生
¥440
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「この戦いは-
互いが背負いし『呪』との戦いだったんだ」


妖怪のお医者さん15巻
佐藤友生・マガジンKC(マガジンSPECIAL掲載)


★あらすじ★
春日琴子はちょっと霊感がある女の子。「やさしい」けれど‥それは見えることの負い目であり、だから人に尽くしたがる面があります。
そこに護国寺黒郎(クロ)が転入してくる。ヘタレっぽい眼鏡くんですが、実は妖怪の病を治療するお医者さん。人間と共生している妖怪の心のケアもしています。
琴子とクロは二人でこの世に生きる妖怪のため、または人間のために奮闘する!

陰陽師であり楠石の弟桐生蒼汰が憎しみのあまり暴走しクロに襲い掛かった。クロの中に潜む「牛鬼」が解放されてしまう。

クロに「待っていて」と言われていた琴子だったが、いてもたってもいられず動いてしまう。しかし、琴子の中にも自分が気づかなかった「呪い」が隠されていた‥

優しく、そして悲しい。妖怪と人間の心を繋ぐ物語。ついに完結。


☆☆☆

大好きだったこの漫画もついに最終巻です。週刊から増刊に移動して、よくここまで続いてくれたなとしみじみしました。ジャンプでこういう方法が取られないのは残念だと思います。

さて、ついに「自己評価の低い」琴子の全てが明かされました。
クロは濡れ女に育てられた「人間」ですが、
琴子はクロの両親にさらわれた「濡れ女」の子供だったのです。
濡れ女はクロの両親を一瞬の激情で殺してしまいますが、そのあとクロを育てます。琴子は神主である今の祖父に拾われたのです。

しかし琴子は、妖怪であるゆえにいろいろなモノが見え、「母親」に「バケモノ」と言われてしまい現在に至ります。いじめにもあい、それを避けるためにお人よしを演じていたのです。


クロと琴子が昼ドラの取り違えみたいでアレなんですが、「妖怪のお医者さん」の世界は人間と妖怪の境目が不確定であり、妖怪も日常になじんで暮らせているのです。
というか私たちのこの世界で「妖怪」と呼ばれるものはちょっと周りとは違う人間であり、それはただの「個性」ではないでしょうか?


クロと琴子は互いに牛鬼と濡れ女になりこの漫画で最大のバトルを繰り広げますが‥冒頭の台詞そのものなのです。

お互いは妖怪だろうと人間だろうと、まっさらな個体だった。ただ、二人は生まれながらにして「憎しみ」を背負ってしまった。それは二人が望んだものではないけれど、振り払う事ができるのは自分自身だけ。

クロも琴子も、これからを「生きる」ため、二人で愛し合うために過去を清算しなければならなかったのです。
このバトル、激しいものでしたが二人の繋がりをさらに強めるためのものなんだなと思ったら震えました。
マガジンの良いところは、男女の恋愛をいろんなカタチで表してくれるとこです。ここまでになるとは正直予想してなかった。

しかも、このバトルは98話で終わります。99話でまっさらな二人が普通のやりとりで繋がり、100話でエンディングを迎えます。

先生がとにかく二人のキャラクターを愛していたんだなあと思いました。
佐藤先生本当にありがとうございました。同時に新作「うしろのしんでれさん」も発売されており、これからも期待しています。


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