「自由--
自分たちが
どれだけ『競技かるた』に染まってたかわかる
好きな歌をひいきするのも
取りたいように取るへんてこなフォームも
みんなまとめて百人一首だ」
ちはやふる12巻
末次由紀・BLKC
(BELOVE掲載)
★あらすじ★
すでに全国の切符は手にしていたが、惜しくも都大会準優勝だった瑞沢高校かるた部。しかし二年目の「近江神宮」にやってきた。
福井から新も団体戦を見に来ているが、思わぬハプニングが。
そして千早たちは全国大会初戦に挑む。強敵というかかるた好きな変人が続々と集まるけれど、千早たちは高みを目指す‥!
天下無敵、体育会系かるた漫画!!
☆☆☆
千早を始め、「ちはやふる」にはかるた好きな「変な人」がいっぱいです。変なモノを集めたりフェチだったり‥しかし、その頂点にいるのがクイーンの若宮志暢と名人の周防久志。で、この巻は赤くて黒い志暢が表紙です。
しかも、この巻では一貫してホラーな立ち振る舞いをしています。講談社の漫画に出てくる女性はしばしばこんな表現(しかも笑える)になってしまいますね。
しかし志暢は団体戦を「かるたを好きやない人がやることや」と言い捨ててしまいます。
彼女は百枚のかるたそのものと相思相愛です。ちょっとでも好意をかるたからそらしたら負けると思っている。
そんな志暢のかるたの愛し方は認められており、新の住む福井では団体戦を避ける傾向があるようです。これは実際の福井でもそうなんでしょうかね?
だから新にあるアクシデントが起きてしまうのです。これは新にどんな影響を与えるのでしょうか?
一方千早たち瑞沢かるた部は初戦と二回戦を迎えます。すでに瑞沢は強いですから簡単に勝つのかなと思いましたが‥
例えば「三年間のうちに優勝を目指す」スポーツ系少年漫画では、一年か二年次でかなり強くなってしまいますから、その翌年は初戦がかなりしょぼくなってしまいます。そのけだるさを避けるために変わったチームを当ててみたりするわけです。
それでも「けっこう強い」ので苦戦したりするわけですが‥
今回現れる二つのチームは全く違う意味でヘンテコです。しかし‥
ここが少女漫画というか、
「否・少年漫画」なんだろうと思います。
相手の学校は「強さ」でなく違う「力」を千早たちにぶつけてきます。そして対戦するごとに瑞沢はその力をもらって変わっていくんですね。
戦いに必要なのは「強さ」だけではないということです。
冒頭のモノローグは相手に刺激を受けた肉まんくんと太一のものです。都大会で少年漫画的になってしまったチームがクールダウンする瞬間です。
ちはやふるはずっと、かるたに強かろうがなんだろうが、「かるたを愛する人」、いや「マイナーな趣味に没頭する人」への温かいまなざしと感動を描いています。そこからブレない。ここから少女漫画の可能性を見出だしていると思います。
ところで巻末に「ちはやふるにたりないものは?」というおまけまんががあるのですが、自分は原田先生の意見を取り入れて欲しいです。
講談社の青年雑誌なら当たり前のことですからね。
少女漫画ランキング
- ちはやふる(12) (Be・Loveコミックス)/末次 由紀
- ¥440
- Amazon.co.jp

