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「もっと
もっと 話してみたい
あなたのコト 知りたい
こんなキモチ はじめてだ」


となりのオバケさん
中嶋ゆか・ちゃおコミックス
(ちゃお掲載)


★あらすじ★

両親の海外転勤で、高校から一人暮らしを始めることになった本条七実。しっかり者で生活は順調だったが、いくら振り払っても寂しさがつきまとう。
そしてアパートから「オバケが出る」とうわさが。標札のオバタがかすれて「オバケ」に読める部屋。そこから出てきたのはボロボロになったおばけのような男性で‥?!

ちゅちゅで大人気だった新鋭作家、ちゃお第一作。


☆☆☆

ちゅちゅでデビューし、「わらって!ヒミコさん」でいきなりヒットをかました唯一の存在、それが中嶋さんです。
ちゅちゅが廃刊となりちゃおにやってきたのですが対象年齢の低いちゃおで大丈夫なのだろうか?と心配していました。

ところが、圧倒的にレベルの高い漫画を持ってきた。これを本誌で読んだ時、やっぱり看板作家だったんだなとため息をつきました。
小学生にこれが伝わったかは‥連載のチャンスが次々来ているので大丈夫だったんでしょう。

ちゃお読者だけでなく世代を超えて読んでいただいても全く差し支えない作品です。


しっかり者の七実は家事がほとんどでき、一人暮らしをしても生活じたいに問題はない女の子。
だけど当たり前に両親と団欒していたことをふと思い出したり、電車で帰るクラスメイトを駅で送りながら「アパート近くにしすぎたかな」とふと考えてしまう。

さりげない描写を少ないセリフや整理されたコマ割りで表現してしまう。ちゃおより上の雑誌でもなかなか見られないレベルなんです。

そして、「オバケ」と呼ばれる小畑虹と出会うことになります。初対面は本当にオバケそのものの容姿、生気もない。
ところが寂しさに打ちのめされた七実の心を開くのは彼だったのです。

虹は美大生で、ずっと部屋で油絵を描いています。七実は絵の美しさや虹の人柄に惹かれていきます。

ところが、ところが‥なんですね。予想だにしないラストが待っています。最終回は驚愕し、しかし七実の成長に感動しました。

ちゃおで相手の男性が「大学生」なのも斬新でしたし、移籍したての作品でこの展開を持ってきたのがもうすごい。


それからちゅちゅに掲載された読み切りが2本入っていますがどちらもゆっくり丁寧に主人公の心情を追える上、定番にならないストーリーが味わえます。

あと絵柄ですが少女漫画というより女性漫画っぽい強弱のない線であっさりした感じ。書き込みすぎないしうるさくない。
それからトーン等で水墨画のような画面を作ったりする独特さも持っています。

次のコミックスも出るだろうし、これから注目すべき作家さんだと思っています。

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