友達ごっこ 10 (マーガレットコミックス)/竹内 文香
¥420
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「友達(あたし)をライバル視するのはいいけど
千秋の1番のライバルは
自分自身なんじゃないの?」


友達ごっこ10巻
竹内文香・マーガレットコミックス
(マーガレット掲載)


★あらすじ★

親友に裏切られたり、部活の後輩に嫌がらせされたり、佐久間紫月の学校生活は波瀾万丈。でも持ち前の明るさと根性で乗り越えて来た。
3年生になっても友達のトラブルに次々と巻き込まれます。
進路を「教師」に定めた紫月。猛勉強を始めたら意外に成績が急上昇。それに焦りを感じた上原千秋が紫月の推薦入試を邪魔するなどイヤガラセを始めた。
本当はイヤガラセなどしたくない千秋だが、彼女の悩みは深く‥?!

そして、「恋」の「こ」の字もなかった紫月にも春が?!ところがそれは、モンスターの到来だった‥

今の学生に読んでほしい漫画No.1。「いじめ」ではないけれどその寸前の友達関係を深く追求する名作、ついに2ケタ。


☆☆☆

学校で恋をするのもいいけれど、いつ何時も彼氏や片思いの相手がいるわけじゃない。学生生活は友達との関係に悩む方がずっと多い。
そして、学生の本分である「勉強」もフツーに関わってくる。だって進路は一生の問題だから。


「遠くのリミットより近くの友達ごっこ!」

と言えるくらい非常に身近な問題を扱っています。恋や愛まみれの生活は女性向け漫画だけのファンタジー。日常を忘れるために読むならこれでいいのですが、「友達ごっこ」は日常から逃げません。
もっと売れていい作品です。


9巻で上原千秋にAO入試を阻止されてしまった紫月。千秋と紫月は一年の時同じクラスでよい関係でした。けれど友達関係は一瞬で「激しい敵意」に変わってしまいます。

一生懸命毎日勉強しても成績が上がらずいつも父親に「出来損ない」呼ばわりされている千秋。その脇で成績が上がり誰からも勉強を応援されている紫月が憎くてしょうがない。
だけど、紫月を苦しめた後千秋は自己嫌悪にさいなまれます。

もともとおっとりしたいい子です。紫月が嫌いというわけじゃない。ただし、紫月は元々劣等生だったので千秋はうっすらと紫月を下に見ていた。

友達に上も下もないのです。下に見るからしっぺ返しがくる(上に見てるとそれはそれでトラブルの元にはなる)。だけど「みんな同じに思う」なんて、なかなかできないもんですよね‥

二人の関係は冒頭のセリフやもっとインパクトのあるイベントで解決しますが、二人を見ている内藤詩織の心の動きも必見だと思います。とあるシーンでついに、この漫画のテーマがポロリと出てくるので。


ところが、この後「友達ごっこ」で初めての恋愛バトルが始まります。
いじめられてもワナにハメられてもブレずに紫月を助けてきた男子、坂元に恋する女子が現れたのです。

1組の三浦茜。成績優秀で美人、周りから評判がいい。坂元が茜の受験票を拾ったことから「恋」が始まったようなのですが‥

坂元が紫月一筋で茜をまるで見ていないため、茜が紫月に「消えてくんない?」と言い出します。

茜の「愛情」はゆがんでおり、坂元が茜を見てくれるためなら坂元をハメても構わない、という思考をしています。模試対策ノートにデタラメを書いて坂元に悪い点をとらせ、個人授業を企んだり‥

さすがに「友達ごっこ」、すでに「恋愛モノ」ではなくなっています。


しかしこの茜編、ラストまで本誌で見ていましたが千秋編までと様子が違うのです。
なんつーか、いままでのキャラにはそれなりの「事情」があり、原因もあった。でも茜編の原因がイマイチ薄い、と感じていました。茜のキャラクターも深みがない。

「友達ごっこ」は千秋編で最終回を迎える予定だったと作者がコミックスのコメントで打ち明けています。でも人気があるために茜編ができてしまったようです。

千秋編までは作者が経験にもとづいて「友達関係」の結論を出し、書いていたんでしょう。これからは情報を集めて話を作っていかないといけない。若い竹内先生に試練がきているみたいです。


大変だとは思いますが、せっかくなのでまだぶつかっていない「山本」や‥一番の親友である百合との友情確認イベントをやってもらいたいな、と思います。
もし卒業の時点で百合と「実は友達ごっこだった」とか結論出たら怖くてしょうがないですが‥

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