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「なんで みんなもっと
簡単に幸せになんないんだろう
片想いなんか俺だけで十分だよ」


失恋ショコラティエ3巻
水城せとな・flowersフラワーコミックスα
(flowers増刊凜花→flowers掲載)


★あらすじ★
決して美人ではない。器用で計算高く男性を手に入れてきたサエコ。そして不運にも彼女に恋してしまったのが主人公小動(こゆるぎ)爽太。
フラれたというか相手にされてないと気づき絶望したが、それをバネにフランスへ旅立ち、日本有数のショコラティエとして帰ってきた。
サエコが悪女だと分かっているから、「悪い男」になろうともがく。片想い仲間のえれなと行動したりサエコを突き放してみたり、爽太の作戦はサエコに通じるか?
一方つらい恋をしている妹のまつりにオリヴィエは‥

大人気、水城せとな先生の甘くしょっぱい物語。


☆☆☆

天然悪女・サエコへの恋にぐるぐる悩みながらも、それを糧にショコラティエとして成長してゆく男性の物語です。


‥爽太は、何故サエコをそこまで愛するのでしょうか。爽太がハートマーク出しながらウキウキしているシーンに全く共感しない。
だけどこの漫画は面白い。だからすごい。
主人公に何故共感できないのか、彼の気持ちに擦り寄るべきか反面教師とするか考える‥つまり「わからなさ」を楽しむ作品だと思います。


サエコは男性ウケするタイプであり、「男性の読む恋愛漫画」のヒロインぽいところがあります。
しかしこれはあくまで女性漫画ですから、読み手をドン引きさせないように読者と同じ目線を持つ井上薫子にとことんサエコの魅力を説明するシーンが出てきます。
「ヒールの低い靴」の話はそれはもう、ねっちり書いてありましたね。しかしドヤ顔の犬か。


ギャルゲにも近いと思いました。サエコはたくさんフラグ立てたりステータス高めないと落とせないタイプ。キャラの好みよりも「やり込み度」「難易度」にのめり込んじゃうんだろうな。
で、爽太はパラメータ上がりすぎてますね。
パラメータ低い時でも近づいて来る女子だっていたのに(薫子)、肝心の「恋愛感度」がゼロなためにいまだクリアができません。
前の感想に書きましたが、爽太が薫子で妥協したら薫子はゲンメツすると思う。
だけど爽太は自分のことを「サエコにまとわりつくキモメン」だと思い込み、勝手に薫子を「高嶺の花」にして見ないようにしている。

ではサエコが高嶺の花ではないのか?というと違い‥サエコは低いヒールをはいて、良く言えば「身近」、悪く言えば「低い女」を演出してるんですよね~。いやあ怖い怖い。

薫子さんが垣根を「低く」したら楽になれるかもしれない。
だけど薫子さんは自分を低くしたくはないだろうし、変化は怖いんでしょう。
もしリクドーの関谷さん(好み)が彼女を変えるに足る人物だったら?ここら辺が楽しみ。


そして、オリヴィエも爽太に近い不毛な戦いに入りはじめました。
まつりもへんなミゾにはまり込んでいるようですが、後半からのサエコも同じ顔をしてますね。「ミニスカートの話」は1巻のアレなのか‥?というかそれまでも何回か試していたんでしょうね。


全体的にチョコレートのように甘くドロリとした、かきまぜる重さを感じる物語ですが、唯一前向きでホッとする場面があります。
それが「セ/フレ」えれなとのシーンです。爽太は同じような片想いで悩むえれなと恋の話をしながら、一緒にお風呂入ったりアレコレするんですよね。恋する人にひたむきで素直なえれなを見てると全力で応援したくなる。

ちょっと過激な関係なのにいつもサラっとしています。行為すらサラっと見えてしまう。
「してない」サエコや薫子の方がよほど重い。この対比も非常に面白かったです。


来月は「黒薔薇アリス」も出るし、楽しみだなぁ。

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