進撃の巨人(3) (少年マガジンコミックス)/諫山 創



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「これ以上の説得力がどこにある‥
僕に命を任せると言っている二人は‥
僕が‥
この世で最も 信頼してる人間だ‥」


進撃の巨人3巻
諫山創・マガジンKC
(別冊少年マガジン掲載)


★あらすじ★
107年前、突然発生した巨人が人類の殆どを食い尽くした。
知能はなく、捕食の必要もなく、しかし巨人はただ食べるために人間を襲う。
人類は自らの身を守るため巨人が入り込めない高い塀を築き、その中でつかの間の安息を得ていた。
エレン・イェーガーは巨人に母を喰われ、ミカサやアルミンと共に復讐を決意し軍隊に入る。
巨人がまた多数襲撃してきた。エレンはアルミンをかばい巨人に喰われてしまうが、その後謎の巨人が巨人を倒していく信じられない事態が発生する‥?!

創刊間もない別冊マガジンをいきなり支えた衝撃の少年漫画。


☆☆☆

別冊マガジンは当初「矢沢あいを受け入れるために作ったクッキー」みたいな雑誌でしたが、ここで掲載されたこの漫画が衝撃的すぎるため、ネットや口コミでどんどん人気が広がりついにテレビで大々的に取り上げられました。


人間のカタチはしているものの性別も知性もない巨人。大砲で頭を潰しても数分で復活、うなじの肉を切り取らない限り不死身。捕食しなくても生きていけるはずなのに、何故か人間だけを食べにやって来ます。
不可解で意味不明な存在です。

私たちは理解できないものが何よりも怖い。食いちぎられていく人々を見ながら、この救いようのない世界に飲み込まれてしまいます。
新しい作家、新しい漫画が生まれにくい今の時代。それをかいくぐり力いっぱい描く作品が現れたのです。


ところが、3巻からは「恐ろしいのは巨人だけじゃない」面も現れてきます。もちろんそれは仲間であるはずの「人間」。

人間は巨人なんかより全然弱い。なあんだ、と思いますよね。
他の物語でも名誉や欲望を貪るために「目指す目的」を捩曲げてしまう人間が出てきます。
ところがこの巻で邪魔をするのは「恐怖で思考が停止してしまう人間」でした。

とんでもない秘密を身体に抱えたエレンに、人々は恐れて砲台を向けます。エレンは巨人より「得体のしれないイキモノ」になってしまったため、「消すしかない」と考えられてしまうのです。
もちろん親友のミカサとアルミンはエレンをかばいますが、エレンは単独行動すると言い出します。強いミカサは「ついていく」ときかないのですが、アルミンにはミカサのような戦闘力も、エレンのような覚悟もない。ついていきたいが足手まといになると諦めていました。小さい頃から二人にかばわれ生きてきました。「自分は無力だ」と決めつけていたのです。

ところがあることをきっかけに、アルミンは冒頭の気持ちを語り、立ち上がります。アルミンは弱い。だけど並外れた賢さととっさの判断力がある。
ここからのアルミンの活躍は本当に素晴らしく自分は震えました。この漫画は「バトルもの」ではなく「軍隊もの」に近いですから、彼のような頭脳が必要なのです。


「変人」と噂されるピクシス司令の登場により、アルミンの知略が試されます。

ところが予想外の事態が起こり計画が暗礁に乗り上げてしまいます。なんとなくこれは人気ゆえの引き延ばしになっちゃったのかなと思ったのですが、引き延ばしにしても非常におもしろく納得のいく展開です。
続きが気になって非常に困ります。


ところで作者がこれを某ジャック(笑)に持ち込んだところ、「ジャックの漫画を持って来い」と突き返されたという噂がありますね。
某掲示板で「そりゃあよかったな、ジャックだったらいずれ巨人を何匹も瞬殺する奴が出てきて『あいつは何者だ?!』みたいな展開になるからな」と書かれてました。
それはたしかに想像できる上、ドン引きの展開ですね。あの巨人が簡単に倒せたら苦労しないです。


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