「たかが、粘膜の接触。
性器の充血。
快楽原則。
種の保存。
それは僕達を、支配して、
与えて、奪って、
汚して、輝かせる。」
セックスなんか興味ない1~2巻
きづきあきら+サトウナンキ・IKKIコミックス
(IKKI掲載)
★あらすじ★
たかが、生殖行為。
それでも人間にはその行為にある「意味」を持つ。
恋人、恋人未満、幼なじみ、不倫、お見合い相手、大好きな人、そして憎むほどの相手。
いろいろな男女の関わりをいろいろな切り口から描く、時に優しく時に残酷な短編オムニバス。
☆☆☆
タイトルが直球ですが難しくズキズキする作品です。読んで単純にエロいとは思えないはず。
高校生からアラカンまで、ありとあらゆる人間の身体と心の触れ合いもしくは葛藤が書かれています。なにかとタブーであるこの題材に挑むのがさすがです。
温かい話もありますが、非常にモノローグが抽象的になっていることもあるし、このままどうなってしまうんだろうという場面で終わる話もあり、読んだ後脱力感にさいなまれることもあります。
これを毎月本誌で読んだら大変かもしれないな‥
全体的に読んでいて引っ掛かったのが、行為や恋愛そのものよりも「格差」です。
閉塞感のあるこの時代、子供の頃はわりとみんな一緒に成長してきたのにいつのまにか枝分かれをしていっていろんなタイプの大人になります。
経済格差、それから恋愛格差。
それからどこを「常識」と捉えるかの差が見えてくる。
太っていて恋愛結婚は見込めないはずだった「桃さんの、お見合い」。
「恋愛なんて興味ない」と虚勢張って言ってしまいがちなモテない男の話「高畑君の、教習」。
ニート寸前のダメ女とついつい付き合ってしまう「武田君の、アメ玉」。
ダメはダメでもそれなりにみんな生きて、それなりに関係を持つ。
普通の恋愛漫画は「ある程度」の職を持ち「ある程度」の恋愛偏差値(死語になりつつある)を持ち、ではその「ある程度」がないとどうなるのかは見過ごしている。
この漫画にはそのあぶれた部分を掬いとる面があるのですが‥
掬ってみて「見なければよかったもの」も一緒に見せ付けられます。いえ、見ないといけないんです。しかし、誰でも隠れたトラウマが大なり小なりあって、見ると胸をえぐられてしまう可能性があるのです。
そのほか2巻の一番最後にある二つの連作は「イヤアアア!!」と絶叫することになりますが、目をそらさず見てほしい。後の方の話にカギが潜んでいます。
あと1巻も2巻も別の読み切りが同時収録されているのですが面白いです。特に「恋愛人形」はオススメです。
漫画ブログ
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