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「私は 私の大切なひととの世界を守る
あなたがいなくなる世界なら
そっちが嘘なんだ」


バーバ・ヤガー1~2巻
きづきあきら+サトウナンキ・MFコミックスアライブシリーズ
(コミックアライブ掲載)


★あらすじ★
それは四年前の出来事だった。子供会のキャンプで起きた「山姥」の事件。犬丸ほのかは山姥を見たという。そして豊田乃亜という高校生がいなくなった。

犬丸はそれから異常な行動ばかりとるようになるが、唯一溝呂木奈江にべったり。溝呂木も、犬丸を見捨てていなかった。
あのキャンプにいた松田、光岡、アッコ、そして富士。四年後また事件が起こる。それぞれが心の中の山姥・「バーバ・ヤガー」に囚われていた‥?!

どんなホラーより怖い、きづき+サトウ両氏が放つ多角的ミステリー。


☆☆☆

つい最近ようやく1巻を読んで、「怖い!!」と思いながら2巻が発売され、それもやっぱり怖かった。
両氏の漫画は読んでいてズキズキするのが当然というか味なんですが、ズキズキと怖さが混じってきます。吊橋効果という言葉がありますが、「うそつきパラドクス」がズキズキで恋愛を盛り上げるなら、この漫画はズキズキで不安を煽るのです。

つくづくホラーとは視覚的なもんじゃないですね。


話はキャンプで山姥を見た犬丸が、どこかのミステリーの如くなにかあれば「山姥だ!!山姥のたたりだ!!」と騒いでいるわけですが、
現代に山姥などマジでいるわけがなく、アッコを初めとする周りの人間が馬鹿にします。
しかし事件が起こっているのは事実で、富士の彼女だった豊田乃亜は失踪したまま。
ですから溝呂木や松田は犬丸が乃亜を山姥と間違えているのだと思いたいのですが、犬丸は頑なにそれを認めないのです。


ここで読んでいる自分たちはどう思うか。
やはり犬丸がおかしくて、乃亜を見つけないといけないと思いますよね。
犬丸は溝呂木を愛する故に溝呂木のゴミを漁ったりストーキングしたり、異常行動ばかり起こす。

犬丸にしてみれば唯一物事をフラットに眺めている溝呂木が頼りなのです。溝呂木はカッコイイ女の子で、山姥の事を馬鹿にしないから。
犬丸は犬丸で必死なのです。もし山姥が乃亜だったら山姥はいなくなってしまうから。山姥は溝呂木と犬丸をつなぎ止めてくれる糸だから。


むしろ物事を「常識的」に見ようとする周りの人間こそがおかしいのかもしれない。

やがて事件がまた起こり、誰もが犬丸を疑うわけですが‥


「バーバ・ヤガー」はロシアの民話に出てくる妖婆です。「バーバ・ヤーガ」とも言います。
子供を捕まえて食べてしまう話が殆どのようですが、善人として振る舞えば窮地を救ってくれる話もあるそうです。


何故乃亜の失踪という大事件がありながら、犬丸は山姥にこだわるのか。

自分は乃亜の事件と山姥は別だと思うし、

登場人物が「恐れ」ているモノ・人物=山姥はそれぞれ別なのではないかと思っています。
登場人物みなさん、実は犬丸をどうこう言える感じじゃないんで‥


掲載雑誌が季刊なので次の巻はずいぶん先の発売になりそうですが、さすがきづき+サトウ先生。面白すぎます。


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