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「でも青年誌が向いているとかって言われると、私が今まで少年誌でやってきたことをなんだと思ってるんだ、ってちょっとイラっとくるんです」


モテキ4.5巻
久保ミツロウ・イブニングKC
(イブニング掲載)


★あらすじ★
藤本幸世、30になったけど彼女いなくてがっつけない草食系男子まっしぐら。
しかし彼に突然「モテ期」がやってきた!!

‥原作はフイナーレを迎えましたがコミックスバカ売れ、ドラマも絶好調、そんなわけでドラマのタイミングに合わせた番外編が発売。3巻で話から脱落してしまった「女版フジ」である中柴いつかちゃんが主人公の「モテキガールズサイド」と、久保先生のインタビューを収録。

女の子側の触れ合えない気持ちと、久保先生の歯に衣着せぬトークが冴え渡ったスペシャル版。


☆☆☆

全然期待していなかったドラマ化ですが、見てみると「あれ?!面白いぞ」「キャスト顔違うけどすげー面白いぞ」「原作と違うとこあるけど折り合いついてて面白いぞ!!」「やるなテレ東」と思って楽しんで見ています。
むしろ同じ雑誌で同時進行してるドラマがガッカリみたいな。
キャストの顔が似ていても肝心なとこがトレンディ(笑)だとダメっすねー。


そんなわけで半分販促なんだろうな、というカタチの4.5巻が発売されました。最初中身を知らなかったので、ガールズサイドが終わった後インタビュー記事だらけになり、「?!」と思って価格を見直してホッとしました。これ税込みだと460円ですから、ちょっと高い新書版コミックスと同じ値段です。
これでいつも通り550円だったら怒ってますよ(笑)。世の中には120Pに満たずしょうもないカラー16Pつけて420円で売ったコミックスが存在するし、この頃の単行本は売り方があざといです。


でも「青年誌ならこういう売り方がありなんだな」と思いました。

なにしろこの単行本で一番引き付けられてしまったのが冒頭の言葉、久保先生のインタビュー発言だったからです。

自分は今までのモテキの感想で、「モテキを評価するならトッキューも評価しろ!!今騒ぐな!!」と言い続けてきました。

とかく現在青年漫画>>>>>>越えられない壁>>少年漫画、みたいな見られ方をしているわけでして‥(少女漫画はそのさらに下に位置づけられる)

久保先生がヘリとか船とか渦潮とかとんでもないもんバリバリ書いてきた努力を「モテキ」でチャラにされたような気がして嫌だったんですよね。そりゃあモテキはいい作品ですが、久保先生が「少年漫画を鼻で笑う大人の為に読みやすくお膳立てした漫画」なわけで、先生にしてみれば「少年に伝わりやすくお膳立てした少年漫画」と同列の扱いなのです。
先生がそう思っていてくれて本当によかったなあと思いました。

あと、こんなに書いていいのかと思うくらい他の漫画批評がすごかったですね。オイラ的にはいつかちゃんの原形が、先生の歪んだ欲望と思いつつも「誰も敬遠して踏み込まない場所をよく踏み散らかしたな」とスッキリしました。神域は汚してはいけないんだと思っていたので。
神域ってほら、うさんくさいとこあるじゃないすか。オイラ的にはアレは「うさんくさい」のカタマリなんです。‥自分も歪んでるなー。いや、りぼん読んでてちっともなびかなかった過去があるんで~


しかし収録されているインタビューは他雑誌掲載の再録。でも青年漫画なら「漫画の裏側と作者のホンネ」を読者が同時に読みたがる。すこしえげつないですが、このコミックスの作り方はアリです。

だってもし「おおきく振りかぶって15.5」が存在したら絶対買うもの。
少年漫画でも「.5」はありますが、キャラ紹介やファンページが殆どで作り方が違うんだよね‥少年漫画もマジな作りをやってみればいいのに‥イヤイヤこれは大人のエゴだな。


さて、「モテキガールズサイド」ですが‥主人公のいつかちゃんはまだ若い。そこが幸世のギリギリ感とは違うんですが‥これを本気でギリギリに描くと痛々しくて誰も読まない。先生が言ってるのは本当だ‥

しかし男女の違いははっきりしていた。幸世のモテ期は「女神輿」ですがいつかちゃんのモテ期は「ランラン♪ランララランランラン」なわけで‥(笑)そうそう、直で喜べないんだよな。

それから女の子だけでキャッキャウフフするほうが楽だという気持ち、キスされてもなんにも嬉しくない気持ち‥せつない。

しかしいつかちゃんは一方で、他の女の子とは違う境遇にいたためにアドバンテージ取ってる面がある。男兄弟に囲まれ、学校でも女子連と関係なく育った。
これ、恵まれてるよ。女子連の目を反らすためにガサツなフリをする人もいるが、いつかちゃんは素で暮らしていたんだろうし。
これを「江古田ちゃん」でいうと「かくれ猛禽」なんだが‥あと5年したらいつかちゃんは最強になっているんじゃないでしょうか?

それから今回、墨田さんがまさに林田だったなと思います。
幸世にとっての林田も「いつでも戻って来い」って感じの止まり木でしたから。幸世は飛び立つ事が出来てますが、自分は別に墨田さんでもいいじゃないかと思ったりなかったり。

そして本命の島田。しかし手の伸ばし所がわからないままふわふわ恋愛をしており、いつかちゃんはそれを「甘え」にしていたんですよね‥
届くはずがないって思うのは逆に安心なんだよな。


本当はこの先のギリギリこそレディース漫画でなく青年漫画で突き詰めたらなとは思うのですが、久保先生は少年漫画を続けたいという強い意志があるので次回作をものっそ期待します。またマガジンで頑張って欲しいです。


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