「怖いって思うのは
『知らないから怖い』か
『知ってるから怖い』のどっちかだ
知らないなら知ればいいだけ」
ひよ恋1巻
雪丸もえ・りぼんマスコットコミックス
(りぼん掲載)
★あらすじ★
12月の小さな小さな新入生、西山ひより140センチ。入学前に交通事故で全身複雑骨折しずーっと入院していたのだが、実はとっくに治っていた。12月まで学校に来れなかったのは、元々極度の人見知りで引っ込み思案で、「馴染めなかったらどうしよう」という不安でいっぱいだったから。
勇気を出して初めて登校したものの、突然190センチの男子・結心が絡んで来て‥?!
りぼんにようやく現れた期待の新人、正統派ピュアラブストーリー。
☆☆☆
人に質問されたら「は?」、難題が迫ったら「関係ないんですけど」、いい子がいたら「かわいい~(見下げた態度)」などなどりぼんの漫画はどこからか主人公の性格がねじれ、それを受け入れる周囲もねじれ、結果全体がねじれてしまいそのまんま数年過ぎて読者がちゃおに流れてしまいました。
このままではいけないと編集部は姫ちゃんのリボンをリメイクするなど企画もしましたが同時進行でこの漫画もスタートしたようです。
しかしこの企画、名付けるなら「原点回帰」、成功だと思います。
この漫画を簡単に説明するなら「君に届けりぼん版」です。主人公のひよりは140センチというハンデを持ち、人見知りで何かあるとじわっと泣いてロッカーなりに引きこもってしまう。しかし純粋で人を嫌わないとてもいい子です。
一方相手役の結心は190センチ。お調子者で明るく、切り返しも上手いクラスの人気者。別クラからも人気あるまさに「風早」。手の届かない恋に小さなひよりが一生懸命になる話です。
説明の為に「君届」を例に出しましたが自分は前々からりぼんにもこういう話(主人公が純粋な話)があってしかるべきだと思ってましたし、りぼんを読む層(小6~中学生)からすれば「君届」のちづとあやねはどぎつい。
それからひよりは高校一年としては幼く、読む人によってはイラっとするキャラクターですが(自分はかわいらしい印象が先に立ってます)、外見は高校生でも中味は小学生、みたいなキャラはりぼんなど幼年漫画の基本だと思います。ホント言うと幼年漫画のキャラの年齢なんか取って付けた様なもんで、あの「めちゃモテ委員長」北神未海も17歳。あんな17歳いたら大変だよ。
そして自分が「いいな」と思ったのは主人公ひよりがちまっとしてかわいく、起こるイベントに素直に喜怒哀楽を出しているところです。主人公がかわいく好感持てるのは非常に大事。もちろん「共感」も大切ですが共感を大事にしすぎるとスレたキャラが出来てしまう。「よい子すぎる」と言われても構わない、と方針づけてたのがりぼんで画期的なのです。
りぼん隆盛後期は矢沢さんがブレイクしていた。「天ない」の翠はまだ素直でしたが、現代性を追求したためにそこからの主人公造形が変わってきました。
当時のりぼんならよかったのですが、「クッキー」が出来て読者が分離したのに方向を変えなかったのがマズかったんですね。
一方「風早」と称してしまった結心ですが、さわやかすぎる風早くんとは違い、豪快で騒がしい「盛り上げ役」です。
はぐれそうなひよりを拾い上げてアドバイスをするお節介‥ではありますが、いい奴。自分は風早くんを胡散臭いと思うこともあるんで、結心くらいがちょうどいい。
結心がただひよりに構いたいのか好きなのかはわかりません。まだ「クラスの一人」としか思ってないかも。そして結心には幼なじみで美人の富永妃がいます。しかし二人はお互いに付き合ってないというし、妃はひよりに「そんな調子じゃ結心は落とせないよ?」とアドバイスまでしてしまう。どうも不可解な関係。
まだまだ話は始まったばかり。ひよりの幼なじみで一生懸命守ろうとしているりっちゃん、外見がきつくひよりに怖がられてるけどひよりに構いたい女子・夏輝(確実にちづポジション)などなかなか魅力的なキャラも多く「続きを本誌で読みたくなって来た」と思いました。
ぱっと見、槙ようこさんに絵が似ているんですが(りぼんの新人は何故か槙さんを真似する)巻を重ねれば影響が抜けてくると思いますし、ぶっちゃけ本家の漫画はカキコミがうるさいし話が読者に寄り添わないし「ひよ恋」のほうがずっと素直で面白いです!
りぼんに復活のきざしが見えてきました。共感と好感は違います。結局地道に好感の持てる漫画づくりをするのが大切なのです。
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