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「アマイケ!
ヘークナーハレー!
フラー!
タックルサリンドー!
(訳:あっちいけ!
とっとと帰れ!
ばか!

叩き殺すぞ!!)」


ちとせetc.1巻
吉住渉・マーガレットコミックス
(マーガレット掲載)


★あらすじ★
「運命の恋人だと思ったの‥!!」

沖縄在住の金城ちとせは怪しいスカウトに絡まれているところを東京のイケメンに助けられる。
彼の名前は古谷幸翔(ゆきと)。ちとせはお礼に沖縄を案内したが、たった数時間で幸翔にオチてしまう。そして初めてのキス。
しかし翌日会う約束をしたのにハプニングがありウヤムヤになってしまう。連絡もとれない。
東京に住む兄の唯(ただし)が「だったら俺と住めば?」と持ち掛け、ちとせは幸翔の通っている学校に編入するのだが、
幸翔にはしっかり彼女がいて、しかもちとせを覚えてなかった‥?!

少女マンガの巨匠・吉住渉のマーガレット連載、ついに1巻!!


☆☆☆

初回の時にマーガレットを立ち読みし「なんてバブリーな漫画だ」と唖然としてしまった経緯を記事にしたところ 、この「ちとせetc.」が何日も検索一位に。

これはコミックスが出たら買わなきゃいかんなと思いました。


この漫画が「時代錯誤にバブリー」だというのは、沖縄に住んでるちとせが「恋のため」東京の私立に編入し、兄の唯は二人で暮らすため学校近くに新しくてリッチそうなマンションを借り、しかも妹のために立派な家具まで揃えてしまっているというトコ。


ジャンク的漫画日記-Image2285.jpg ジャンク的漫画日記-ちとせの部屋.jpg


唯が大人気小説家だから「ものすげー金持ち」なのは分かるのですが(実は幸翔も同じマンションに大学生の姉と住んでいる。こっちも親がバブリーなのでしょうね、鎌倉出身だし)、それにしても‥自分ですら軽く引いたので、マーガレットの読者はどう思っているのかなと。
マーガレットの対象年齢はりぼんの上、中高生。りぼんを楽しく読んでいた世代はアラサー以上なので、読者にはかなりの違いがあります。マーガレットも他にお金持ちの漫画はありますが、主人公はそれ相応のリスクを背負っています。しかし「ちとせ」にはそれがない。
夢のある少女マンガ、ではあるのですが‥ね。

さらに拍車をかけるのが幸翔のいる「祭部」。生徒会のようなもので、変わった生徒しかいません。
幸翔は相原清綾(さあや)と長く付き合っているのですが、二人は「息抜き」のために他の男女と軽~く遊び(ちとせはこれの一部)、見つかってもお互いを咎めない。
先生は「ぶっ飛んだ関係!」みたいな書き方をするんですが、大人のカップルが結婚するまでにやってんのと同じじゃんと思ったんですよね。
ただちとせはそれを真剣に怒るので幸翔がだんだん惹かれ、清綾はだんだん不安になっている模様。

普通なら清綾を「ヤンデレ」にしちゃう方向ですが、二人のヘンな関係性のおかげで持ちこたえられている。ここはさすがベテランだと思います(あと清綾は美人で芸能科にいるのに、自分の事を過小評価している上「やりたいこと」もなく浮遊している感じがします。過去に縛られているようですが)。


ちとせは幸翔たちの事が分かってからそこまで幸翔に執着してません。幸翔が一方的にハマっているようですが。

一方で幸翔の友人の赤石駿もちとせを見守っている様子。赤石の感じが「ウルトラマニアック」の辻合みたいでイイんですよね~!!辻合が好きだった人手を上げて!

自分は赤石エンドだと思うしそれほど長続きする漫画ではないと思っています。何故なら1巻収録分の後ちょっと休載していたからです。
休載前あたりの掲載順が芳しくなかったというのもあります。マーガレットの読者には合ってないんじゃないかということと、マーガレットの漫画は週2回なので絵は簡素なものが多いですが「動き」があり、引きの部分のインパクトが強く、「続きが気になる」ように作成されています(道明寺とつくしは何回ピンチに遭ったかと思うよ)。
吉住先生は昔から「不思議で奇抜な設定」にこだわり続け、「引き」については全く考えてない。
「続きが気になる」漫画は「品がない」と思うこともしばしばですから、先生は断固としてやらない主義かもしれません。
しかしそうも言ってられない。ただ‥吉住先生の「すごい引き」って想像つかないわぁ‥

でも月2回書いても絵柄が安定しておりマーガレットでは抜群に見やすく綺麗な画面です。末次先生と同じように、「書き方」が身についているベテランならではですね。

あ、あと冒頭の沖縄弁ですが‥ちとせが不正を働いた輩に叫んだ言葉です。
沖縄の方もいくらなんでも「タックルサリンドー」は使わないんだろうな‥(笑)
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