ジャンク的漫画日記-Image2199.jpg


「藤本君もオム先生も 私の中に踏み込もうとしてないじゃん
私の事 怖がんないでよ」


モテキ3巻
久保ミツロウ・イブニングKC
(イブニング掲載)


★あらすじ★
藤本幸世、30になったけど彼女いなくてがっつけない草食系男子まっしぐら。
しかし彼に突然「モテ期」がやってきた!!
特に「友達付き合い」だった中柴いつかとは互いの本音をようやく晒し合えたのだが、彼女の仕事が忙しくなかなか会えない。
故郷の同級生・林田の提案により、連絡を取っていなかった気配り型美人・土井亜紀とコンタクトを取るも、ひょんな事で二人は漫画家の「小野坂オム」に引き合わせられる。幸世よりスペックの低い引きこもり系のオムだが、土井亜紀を見て‥?!

現代の触れ合わない触れ合えない男子女子を深くえぐる衝撃の作品!!


☆☆☆

「このマンガがすごいオトコ編」5位になりました!
もっと前から評価されてしかるべき作家さんですが‥。少年漫画(ガキ向け)書いても評価されないから無駄?みたいな今の状況なんとかしてほしい。マンガ大賞の候補作にも上がってますが、こちらのラインナップも大人漫画ばっかり。


さて、2巻はいつかちゃんの内面を掘り下げましたが、今度はまた違うタイプの女性・土井亜紀のターンです。
「着飾ってもキモいと言われそう」と恋愛を恐れているいつかとは違う、「真っ当な美人」です。

土井亜紀は気が利いて愛想もいい。ですから主人公の幸世は「オレごときのスペックで土井亜紀が捕まるわけがない」と思ってます。
しかし美人は美人で悩みがあるのです。眼中にないオム先生みたいな人に気に入られたり(他にも経験はかなりある模様)、かと言って「好きになった人」は安心できる普通の女の子と付き合ってしまう。

土井亜紀はいつかと対面しそう思うのですが、一方のいつかも「男の人は自分と同じレベルを女に求めてる訳じゃないんだ 自分に自信がないからこそ美人にしか埋められない穴があるんだ」と落ち込んでしまい、一旦舞台から引きます。

土井亜紀にうっかりキスしてしまった幸世は、「いつかちゃんとどうなってんの」と責められ、いつかにも避けられてまた「自己嫌悪」のズンドコへ‥幸世も引きこもってしまい、取り残された土井亜紀はヤケになってオムのマネージャーになってしまいます。


土井亜紀もいつかも、皮を剥いでしまえば同じです。「男性に好きと言ったことがない、言ったらフラれて傷つくから」。
土井亜紀の場合は「相手に言わせる」事ができるのですが、言わせてしまえば「フラれる」恐れはなくなるわけです。

そして本来「安全牌」でスペックの低い幸世も「告白させる」つもりだったのですが幸世はさらに傷つくのが嫌いな草食男子!!土井亜紀に好きと言ってもらうのをひたすらに待っている。無理とわかれば勝手に嫌われようとする。
土井亜紀はキレますよね。ちょろい‥というか妥当と思った相手に敬遠されている。

しかもなんと、「さらにちょろい」と思っていたオム先生すら「(僕なんかに)無理しないで」と言う始末‥!!

‥美人は損なのでしょうか?!

しかし土井亜紀は肝心なところが抜けている。いつも「言わせる」事にエネルギーを注ぎ、その見返りがないと相手に苛立ちを募らせる。
「言わない」のはいつかも同じ。ここに顔の事は問われませんが、いつかは見返りをハナから求めない(それもどうかと思うけれど)。

「愛されないと思い込む病」のいつかも問題ですが、「ムダにモテるので駆け引きする」土井亜紀も深いですね。

いえ、女性はみんなこうして悩んでいるのですが‥


しかし、幸世は迷う。傷つきたくなくて逃げるのは最低ですが、二人が本当に「好き」と言える相手なのかわからないのです。

そのスペックで?と本人も卑下してますが、「好かれる」と「好きである」は別。この一番肝心なところを幸世は決められない。


で、幸世が一番好きな相手は残りのヒロイン小宮山夏樹だ‥ということで3巻終了なのですが、

なんとこの「モテキ」、次の4巻で終わりと久保先生が明言してます。評価されているのに終了できる潔さ、すごいですね。


自分はいつかエンドを期待しているのですが、オカンのように面倒見てくれる林田エンドもありそう。

いや、バッドエンドかも。
いつかは「島田との決着」、土井亜紀は「生活スタイルの変化」を幸世との関わりで得られたのです。夏樹も含めて「幸世に収まる」より大切な事を選ぶのかもしれません。恋愛至上主義への問題提起として終わるのもアリです。

そして今回わざわざ九州からやってきた林田親子、「親戚のお見舞い」と言って病院に行ってますがコレ普通にお見舞いなのでしょうか。まさか別れたダンナだったりして‥

さらに夏樹の姉・すさまじくパンチの利いたキャラの基樹はどーなってるんだろう。まさか美人になってたりして‥あの人も林田と同じタイプですよね?

それからオム先生。ストーカーではないのですが一つの事に夢中になるあまり、非常にエキセントリック‥。漫画家は確かにそうなんですけども、締め切り破りをやったにも関わらず周りが温かく、キョドってました。なんか三橋っぽかったな‥(でもふとした瞬間からネームやりだすあたりすごい)


そして後書きで久保先生が「337ビョーシ」に至るまでの話がありました。
mimiデビューだったなんて‥驚きました(初投稿はなかよし)。その時の作品がいずれ読めたらいいな。出てるのでしょうか。

つか当時の講談社女性漫画って相当大変だったんじゃなかろうかと。今とは違いますからね‥


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