- ちよこれいと 1 (講談社コミックスなかよし)/フクシマ ハルカ
- ¥440
- Amazon.co.jp
「あんたが 死 ねば
よかったん だー!」
ちよこれいと1巻
フクシマハルカ・なかよしKC
(なかよし掲載)
★あらすじ★
己斐ちよこ(ちー)、小6。なぎなたが得意な女の子。いつもは幼なじみのゆーとと普通に遊んでいる。
そこにちよこの想像を何もかも越えた転校生・白鳥鈴が現れた。衝撃的な出会いをし、お子様のちーに「本当の恋をおしえてあげる」と言ってコーヒーチョコレートを渡し‥
翌日、亡くなったと告げられた。
短すぎる出会いだったが、鈴の存在はちーに深く刻み付けられた。彼女の恋は鈴に縛られたのだ。
そして一年後、ちーとゆーとは東京の中学へスポーツ推薦で進学する。
その中に鈴にそっくりな男の子を見つけてしまい‥?!
☆☆☆
なかよしを購読して一番よかったのがフクシマ先生の漫画との出会いです。絵はなかよしの他の作家・遠山先生や桃雪先生・山田先生などと違い決して上手くない。内容もちょっと軽く感じる。
だけど画面から伝わるポップさ、難しくはないけど斬新なトーン使い、男の子の魅力など、説明しにくい不思議なよさがあります。数年前「このマンガがすごい」にちょっとだけフクシマ先生の事が書いてありましたが、「不思議なエ/ロテ/ィシズムを感じる」とあった。確かに何故か絵に色気を感じますが、例えばあはんな漫画でも「売れる」「売れない」の違いはエ/ロ部分以外の心理描写であったりキャラの個性ではないでしょうか。
それでも自分は前作の「AAA(トリプルエー)」は好きじゃなかったのです。作家が好きだと作品も全部好きであるべきとは思わないし、むしろ「何故好きになれないのか」としばらく考えていました。
多分、主人公を好きになる男の子が二人じゃなかった‥ただそれだけだったんだと思います。
フクシマ漫画の最大の特徴は「主人公より男の子の人気がある」ということ。そして主人公を巡って火花を散らす(表現が古いな)男の子の票が真っ二つになるのです。
自分はたいてい主人公とくっつかない方の男子を応援してしまうのですが‥何故かといいますと、主人公を想いながらもなかなかうまくいかず、その切ない気持ち、表情が非常に良く表現されているからです(単に萌えると言え)。
三角関係は少女マンガのお約束。たいてい直情型でぶっきらぼうな男の子が正ヒーロー(正ヒロインの男性版という意味ですが、自分で書いててしっくりこない)で主人公とくっつきます。
ところがフクシマ漫画は正ヒーロー型の男の子が失恋します。先生の好みではないのでしょうか?いや、自分はそうは思ってない。
そういう男の子だっていつもいい思いしてるわけじゃない。かなわない恋にもがく姿をわざわざ描いているのは先生が「もう一人の主人公」として男の子を見ているからではないかと思います。読者(小5くらい)だって絶対に叶わない恋をかかえていたりする。親近感がわくし「こんなにまっすぐな性格の持ち主がどうして報われないのか、いっそ私の方を向いて!」と二次元的な想いを寄せたりする。一方でくっつく方の男の子が好きな読者もいて、「どっちとくっつくか」毎月ワイワイ騒げる構造なんだと思います。
これ、大切ですよ。
「オレンジプラネット」の太郎ちゃんも床でじたばたしたくなるくらい切なかった!!「ちよこれいと」ではゆーと(苗字は「府中」らしいが1巻では未収録)がこのポジション。
ちーと生まれた時から一緒で、鈴と出会い鈴が死んだことを聞かされて、ちーと一緒に泣き、中学に上がるまでずっとそばにいて、それでも一切ちーに手を出さなかった。なんだこの男気は。
しかし鈴にそっくりな樹が中学で現れ、さっさと奪われようとしています。ゆーとだってちーが好きなのに、鈴に恋を縛られたちーは樹ばっかり見ていて‥!!
ああ、歯がゆい!!と思いつつも、何故か主人公に腹が立たないのもフクシマ漫画の特徴です。かわいくて表情が豊かで素直だからだろうな。冒頭のものっそいDQNな台詞なんか某R誌のHさんやMさんも使いそうですが、そちらが使うとドン引きします。
しかしフクシマさんだと何故腹立たないのか‥?
一度ためしに読んで確かめて下さい。買えとは言わないんで。
