ジャンク的漫画日記-Image2078.jpg

「あの時のこと 忘れたわけじゃない
思い出したらムカつくし

でも無理して忘れる必要もないと思ってる

ただ 何度も思い出してグダグダ悩む時間は もったいないと思う
あたしは『悔しい』って思うことに時間を使うのが
惨めで 悔しいから」


友達ごっこ6巻
竹内文香・マーガレットコミックス
(マーガレット掲載)


★あらすじ★
陰湿で執拗な嫌がらせは、バレー部の後輩・和華の仕業だと判明した!!市村を使い山本を階段から突き落としたのも彼女。
許せない紫月は一対一で話をつけようとしたが、一切聞く耳を持たない。その上、紫月の親友・百合を巻き込んでとんでもない罠を‥?!
以前紫月をハブり、失敗して離れていた繭にも動きが。友達ごっこ「二年生編」、大団円!!


☆☆☆
表紙の満面の笑顔が表すとおりのハッピーエンドです。単行本のおまけスペースに「とある大物作家にブログで紹介してもらった」とあって誰だ?!と探してみたら‥某R誌のT村先生じゃありませんか。全然タイプが違うからびっくりしたというか、悪いけど「友達ごっこ」みたいな漫画はかけないでしょうなぁ~‥と思ってしまった。

それだけ6巻は内容が濃くて、いい台詞がたくさん入っています。冒頭の台詞なんかほんの一部。

バレー部の後輩・河瀬和華は山本をケガさせてレギュラーに上がろうとした。しかし、助っ人として素人(なのに運動神経がすごい)の紫月が入って来てしまい、「こいつも消そう」と考えてしまう。しかも自分の手は使わない。
小さい頃から容姿やおとなしい性格のせいでいじめられていた市村(いっちゃん)に手を差し延べ「友達だもんね」とありとあらゆる悪事を彼女に押し付ける。紫月が悪事に震える市村に気付き説得しましたが、市村が和華に「こんなことやめよう」と言ったら携帯を着信拒否。紫月が和華に詰め寄ると「ちょっとちょっと!何言ってんの?いっちゃんが友達?やめてよキモイ」。


和華はいつもは人当たりがよく先輩の紫月にも表では擦り寄る感じでした。しかし彼女にとって自分以外の人間は「モノ」でしかなかった‥


百合にまで和華の手が及び、ブチ切れた紫月の行動はスカッとしましたね。
ここでやっと和華の悪事があばかれ、バレー部も「おかしな部活ルール」を撤廃するなど改革が始まりますが、バレー部の顧問が何故紫月を入れてまで和華をレギュラーにしなかったのかを告白しました。

これを見て「なるほど、和華もうまれつきの欠点はあったしかわいそうではあるな」と考えてしまいました。いくらいじめをやろうと、人間は人間なんです。


そして‥主人公の紫月を一番最初にいじめた元親友の繭がこの「バレー部事件」をきっかけに本当の謝罪をし、前に一回謝った時に明かさなかったいじめの理由を告白します。

「紫月と百合が近づきすぎて心配になった、二人が私をハブるかもしれないって変なこと考えて」、なんともたわいのない理由だったのですがその時の繭にとっては深刻だったろうな。
しかも繭は高校に上がるまでいじめられていて、どんなに好きな友達でも深く信じる事ができなくなっていた。

いじめは次のいじめを呼びます。繭をいじめた美琴などはいじめている自覚すらありませんでしたが、そんな軽い気持ちがどんどん負の連鎖を起こしてゆく。


「いじめは昔からあった」「いじめられる方にも問題がある」、よく言われる言葉ですが‥「友達ごっこ」を読んでいると今のいじめはそんなもんじゃないし、「昔からあった」と見過ごしていれば取り返しがつかない事態にもなるのだとわかります。回り回ってオマエの周辺が傷つくかもしれないんだぞ、と言ってやりたいですね。


それをギャグを取り混ぜながら出来るかぎり軽いタッチで書き尽くしたこの作品、もっと評価されるべきだと思います。
マーガレットの他の漫画の絵柄が華麗だからどうしても隠れがちなんですが、自分は他の作家さんは誰かしらの絵柄に影響されていると思います。竹内さんは誰の影響も受けなかった。上手さとか抜きにして、マーガレットをパラパラめくったら「竹内さんの絵だ」とわかる、これが漫画家として大切でしょう。


さて、なんだか「友達ごっこ」が完結したみたいに書いてしまいましたが、実は現在も絶賛連載中です。
紫月たちが3年に上がるのですが、百合や奈美ちゃんとクラスが別れてしまいます。
紫月は新しいクラスで三人の友達と近づきますが、どうも各々が事情アリ。イジメやハブりはないのですが、「続きが気になる!!」と思わせる展開の上手さは相変わらず。これからも楽しみです!!
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