ここまで来ると、「次に打つ手」が見つからなくなる。きっと本人もそう感じているんじゃないかな‥
勝利の悪魔1巻
槙ようこ・りぼんマスコットコミックス
(りぼん掲載)
★あらすじ★
田中森朝実16歳、今までセレブ生活を送っていたのに父の会社の倒産でお金持ち私立から転校を余儀なくされた。
しかしそこは田中森の常識を超越した学校。授業は崩壊しているし生徒もぶっ飛んだ恰好で遊びに来ているだけ。「ここは合わない」と逃げ出した田中森に付き合う超絶美少女の木下光。田中森が倒産した話を光にすると、「なにそれネタ?」と言い出した。
「それは悩みじゃなくて過去でしょ」
真理をついた光に惹かれた田中森だったが、実は光は‥男の子だったのだ!
二ヶ月連続コミックス発売、槙ようこの注目作ついに発進!
☆☆☆
連載開始が3月号だったのにいつまでたってもコミックスが出ないので「なにかあったのか」「ついに槇さんのコミックスも売れないと見限られたのか」とすごく心配になりました。二ヶ月連続という計画だったんですね。でも‥それって売り上げに繋がるのかな。
とりあえず来月すぐに2巻が出るのでその時に整理して感想を書きたいなと思いますが‥1巻で感じたことを。
まず自分はりぼんの表紙などからこの漫画の主人公を小学生だと思い込んでいました。まさか高校生だったなんて。ええ、他の少女漫画なら目が大きかろうが顔が丸かろうが「高校生」と言ってしまえば納得するんですが、槙さんの今までの漫画の「高校生」はもっと顔や目が小さく、身体も8頭身だったりで逆に「高校生かよ?!」と思うものばかりだったんで‥
りぼんの読者が年齢下がっているということの配慮なのか、槙さんの「高校生」に対する見方がガラリと変わったのか‥?コマ割りもすごく単純になったと思います。
なのにちょっとやりすぎの印象があります。
舞台が授業しない学校なので「フリースクールかな」と思っちゃいましたが、この漫画はあくまで「ヘンな学校に来てしまった田中森が光によって価値観をガンガン変えられていくコメディ」なので、授業が行われないのは問題ではなくギャグとして流すところらしい。
すると「フリースクールだと思っていた自分、授業をやらない学校が学校ではないと思い込む愚かな自分」に気づかされることになりますが‥それを反省する必要もない感じなんですよね。
つまり、少女マンガにおける「学校」なんて、授業なんかやっているようでやっていないんだから最初からなくたって問題ないわけです。
それを先生が体現したわけなんですがね、
かといってそれが「革新的である」とは言いづらい。
最近漫画の主人公と対象年齢が一致しない漫画が増えています。例えば別マの「少年少女学級団」は小学生のどろどろが書いてある。青年漫画もわざわざ小学生が主人公だったりしますよね。
これは大人が「幼い頃はこうだったし失敗もした、この漫画みたいにやれたらよかったのに」と思い返す作用のある漫画。
「勝利の悪魔」はこっちの方。
小学生が「こんな学校あったらいいな」と思う漫画じゃないんですこれ。そこに関しては非常に説明が下手です。学校がギャグです。登場人物も全てギャグでシュール、学校も親もくそくらえと笑う漫画。しかも、大人が読んでもノスタルジーにはなりません。
本当は青年漫画がこのぐらいやれよと感じたのも確かですね。青年漫画は学校(青春)に夢を抱きすぎる。
しかし、せっかくドキドキさせてくれるはずの容姿を持つ光も、このシュールさに負けています。作者の主張が読者サービスを押しのけてる。
幼年漫画のりぼんでこれでいいのかなぁと思いました。
実は同じ雑誌の「株式会社ラブコットン」では仕事を優先するために学校に行かなくなってしまう主人公たちが描かれていまして、それを糾弾された主人公が「では成績の面倒を見ればいいんだな」と仲間3人を学校に行かなくていいようにしてしまう。そんで、本当に学校に行かなくなる。
後々経営方針にゆきづまって「たまには学校行こうか」と利用するエピソードがありまして、
「学校から解放される」というのはこれのことかと感心したんです。
「自由な学校」があっても結局はハコだということ。これが一年前奇をてらわない形でできているんですよね。
だから「勝利の悪魔」の学校、キャラについては2巻を待ちますがまず「もっと普通でも面白いものはできる」と言いたいです。
そして槇さんのキャラはみんないつもどこかすっ飛んでいてシュールなので、それに慣れてしまった自分は新鮮味がなかったというのも事実。
絵はカッコイイんですがね‥それでもたまに「誰の絵だろう」というくらい本人の絵じゃなくなっていることがあり(特に理事長)、槇さんに何があったのかと思っています。
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