「私はウソつきです
彼(彼女)が本当にウソつきなら、この言葉もウソでなければならない。
また、本当はウソつきでないのなら、この言葉がウソになる。
ゆえに、ウソも本当もわからないままである。」
うそつきパラドクス1巻
きづきあきら+サトウナンキ・ジェッツコミックス
(ヤングアニマル掲載)
★あらすじ★
八日堂、普通の会社員。ある日同期のパソコンの復旧を「時間外」で要求される。栖佑(せいゆう)日菜子は遠恋の彼氏に会うため、休日出勤したくないのだ。
何故他人の恋の世話なんかしなきゃいけないんだ?しかも栖佑は「彼女いないんですか?」と無神経な事をきいてくる‥
何故いないのか?それは‥
遠恋で淋しがる栖佑に段々迫っていく八日堂。拒めなくなっていく栖佑。秘密の恋が始まる。
☆☆☆
「まんまんちゃん、あん。」「メガネ×パルフェ」のお二人、待ちに待った新作です!
ズキズキするけど読まずにいられない話、かわいいのに肉感のある不思議な絵。すっかりトリコになっております。
「まんまんちゃん‥」が終わった後どうなったのかな?と思ったらなんと「3月のライオン」と同じ雑誌に載っていた。羽海野先生目当てでヤンアニを立ち読みしている方、ちょっとページめくってこれも読んでみて下さい!
ただしヤングアニマルというのはベルセルクとDMC以外「ふたりエ/ッ/チ」系の漫画が多かったりする。自分は結構こういう漫画好きなんですが‥
ですからこのお話もかなり踏み込んだ感じになっていますが、なんつーのか‥メスのオイラでもそそりますね。
男性が描くそういう漫画だと女子は「そんな胸あるか」「そんなセリフ言うか」と感じるし、しかしTLは「都合よすぎてありえない」と一歩引いて読むことになる。
だけどこの漫画は多分‥主人公の男性「八日堂」のキャラがカギだと思います。
彼はメガネキャラで一見真面目。ソツなくストイックで自制がきく感じに見えます。
「モテキ」の藤本幸世とは全く逆のキャラです。講談社の男性キャラクターは「DT捨てたい!とにかく女の子が欲しい!」とがっつきがち。そのダメさが漫画としては好きなんですが‥
八日堂は欲のない顔してドS!!ただ、なんか許せてしまう‥
お二人が作るメガネキャラはみんな一癖二癖あるけど知性と欲望のせめぎあいを抱えてます。二人とも相当にメガネフェチなんですよね。
八日堂はドSながらも表情が苦痛にゆがんでいる。大変だなあと同情するんだ。
何故って好きでたまらない栖佑に「名古屋」と呼ぶ彼氏がいるから。遠恋だからバレないと思いつつも罪を重ねているから。
そういえば最初読んでいるうちは栖佑がイヤな女だと思っていたんですよ。彼氏がいんのに、迫られたからといってだんだんほだされる上、八日堂を逆に誘惑していくから。栖佑はちょっと天然な部分もあるけど、いろいろ考えてはいるはず。
しかし計算をしつつも罪を犯している自覚はあるから八日堂と同じくらいつらそう。責められない。
そしてここに、栖佑の友達で八日堂と同じ部署にいる丸悦が介入してくる。栖佑と同い年なのに落ち着いたお姉さんタイプ。しかし1巻の行動を見ている限り「痛々しい」のです。こういうカンチガイ見てると自分も振り返らなきゃいけなくなる‥!!鈍感も罪だなと思いますよ。
八日堂の罪、栖佑の罪、丸悦の罪‥大栄や伊勢タンも罪作りになっていくのでしょうか?
二巻は相当内容がキツそうです。
人間は完璧に一つの約束を守り通す事はできないし、守ることで時間の流れと逆らう事があり無理がでてくる。だから臨機応変である事は認められるけれど、人はそれをたまに「罪」と呼ぶ‥
お二人の漫画には一貫したテーマがあります。それをどうしていくのか楽しみです。
それにしてもこの漫画、増刊の読み切りが好評で本誌連載になったんですね。ヤンアニってずいぶん慎重というか、二人の実績みたらいきなり本誌に載せたって問題なかったでしょうに。
ヤンアニの漫画は単行本で読みたいタイトルが少ない。その点これは「作家買い」が狙えます。
「3月のライオン」の時は相当なことやったはずなのに、不思議だなあ。
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