ジャンク的漫画日記-Image1916.jpg
「ばかやろう 何がアポロンだ
こいつに 月桂樹の冠なんて
似合うもんか」


坂道のアポロン4巻
flowersフラワーコミックスα・小玉ユキ
(flowers掲載)


★あらすじ★
1960年代。ひょんなことで出会った西見薫と川渕千太郎。二人は音楽という強い絆で結ばれつつも互いの恋のせいですれ違うこともしばしば‥
ずっと会えなかった母親に再会できた薫。後押ししてくれた千太郎に感謝しつつも新学期になりクラスが分かれて‥?!


☆☆☆

読みながらズキズキし、読み終わった後深夜にジタバタしてしまいました。

ああ、ヤバイ!
千太郎が好き!!
薫(?)に成り代わってその胸板に抱かれたい!!
早く続きが読みたいのに1月?!本誌を買えと言うのか?!

‥と、オタクくさい叫びはおいといて。


‥冷静に考えてみると「ちょっと遠回りをし始めたかな」と思ったのです。

その要因は2年になって千太郎と同じクラスになった松岡星児。美術部所属、千太郎が恋する深堀百合香の後輩。
最初見たときに「わぁ、空気読めなそう!」と思いましたが、ここは1966年!KYな奴などいないのです。
彼は流行り始めたロックに傾倒し、ドラムの腕を見込んで千太郎をロックバンドに引っ張ろうとする。
ずっとジャズをやっていくと思っていた薫は苛立ちを募らせます。もちろん千太郎もジャズが好きなんですが、星児のあの手この手で引きずられ‥

星児を見ていると「君に届け」で爽子と風早を大いにジャマした三浦健人を思い出すのです。しかし健人は自分の思い込みや事態の読めなさが災いしているだけで「悪い奴」ではありません。

だけどね‥小玉先生の漫画は「本当の悪い奴などいない!」とまだ断言できないのです。この漫画では家の事や息苦しさがモロにかかってくる。薫の母親が「字がかけない」というのにズキリとしました。「1966年」は別に、古きよき時代ではないのです。


星児は相当な策略家です。
そこに律子や百合香のこと、貧富の差が絡んでいって薫と千太郎がだんだん噛み合わなくなっていきます。

やがて律子にホの字(死語)の薫がそっちのけで千太郎を追い求めるようになり、「ああ友情と愛って紙一重だなあ」と薫と一緒に恋焦がれてしまった自分なのですが。
かといって星児が作った溝を乗り越えて二人がさらに親密になるのか?といえば、二人は恋人ではなくあくまで親友なのです。

どっちかといえば星児は薫の「鏡」みたいなもんで、薫が奮起してガチンコして星児をどうにかできた場合は薫自身の成長なんでしょうね。
でも千太郎は変わらない。
百合香と純兄のこともそのまま変わらないわけですから、星児が起こすトラブルがこの先に作用するとは思えない。きっかけはできるにしろ。
自分はストレートに今までの人数でやっていて欲しかったかなと思いますが‥

でも悩み苦しむ薫はたまらないですね(変態め)。


巻末の漫画「エレベーター・チャイルド」もホロリとするいい作品ですね。
そしてイメージCDが出るそうで、ジャズだし値段も手頃だし買っちゃおうかなとか思ってしまいました。


ところで逆に「悪い奴などいない!!」と断言をしてくれるのが羽海野作品なわけですよ。羽海野キャラはどんなに悪いヤツでも悪くないんですよね。

新刊出ますね。