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新本で買おうとしたらこんな表紙だったので「中身もえっちなのかな‥」と躊躇していました。今回古本が見つかったので早速購入。
いやいや、えっちではないのですがこれはとんでもない。読むには覚悟が必要ですね。


フランケン・ふらん1巻
木々津克久・チャンピオンREDコミックス
(チャンピオンRED掲載)


★あらすじ★
斑木直光。第二次大戦で生化学部隊に属し生命工学にかけてトップレベルの頭脳を持つ。人間を生き返らせてほしい、困難な病を治してほしい、そんな願いを持った人間が博士を訪ねると、そこには博士の代わりにツギハギだらけの美少女・ふらんがいた。
ふらんは金さえあれば願いを叶えてくれる。しかし、ふらんの耳が悪いのかそれともふらんに真理が見えているのか‥その願いは叶うのだが依頼人が想像したかたちにはならないのだ‥!
異色のメディカルホラー。


☆☆☆

少年チャンピオンで「ヘレンesp」というハートフルな名作があり(メッセージボードからリンクが繋がっているのでそちらからどうぞ)、それに感動した自分は作家つながりでこの作品を手にしたわけですが‥


おおおい!!
これは怖いだろう!!


最初の作品からいきなり脳みそが摘出されたり、女の子の体をイモムシにしたり、ふらんのやることなすことがめちゃくちゃです。夜は読まないほうがいいです。

ふらんはそれでも依頼人の願いを真摯に受け止めているつもり。おそらく博士が作った人造人間だろうから人間の感情を違う捉え方しちゃうみたい。まあ、依頼人もワルだったりしてそこをふらんが見抜いたり見抜かなかったりなんですが。

オムニバス形式。1巻に7つの話あるけど結局正常に助かったのは一人だけだったな‥(笑)。


「チャンピオン」でモグリ医者ですから、アレをかなり意識した作品だろうなと。しかしこれは真っ向から立ち向かい嘲笑うような内容ですね。いえ、アレそのものではなくアニメ化記念でバカみたいに連発したチャンピオンのアレ関連漫画に対してだと思いますが。あれはひどかったよなあ。

それでも生命の大切さと、身体を回復するだけでは救い切れない心の病について、他の人が考えない部分まで深くつきつめ、それを臓物出す「ホラー」で表現している。
読んでいるうちにたくさん出てくる血や臓物よりも人間の内面を「怖い!」と感じるようにさせてくれます。


「ヘレンesp」は人や不思議なことに肯定的な書き方をするのですが、こっちは全く逆ですね。チャンピオンREDは青年誌だから、これでOKです!現在も続いているようですから支持を得ているんですね。


木々津先生の漫画を読んでいてふと「こういう漫画ってなくなったなあ」と思います。
オムニバスでハッピーエンドとバッドエンドがキャラの善悪関係なく混在し、でも納得いくしシニカルな笑いさえ出て来てしまう。
ショートショートがそのまんま漫画になったヤツって「時代遅れ」と言われればそうかも。
思い付くまでに体力消費する割には「ハッピーエンドじゃないと」「主人公に都合良くない結末は嫌」と切り捨てられてしまう事が多いでしょうから、今の漫画家さんはほとんどやらない。

だけど雑誌が一冊あったら一個くらいこんな漫画があってほしいと自分は思うなあ。


‥でも「ヘレンesp」の連載再開をひたすらに待っています。こっちと同時進行になり大変かと思いますがぜひ帰って来て下さい!

お願いします!