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「なんでおまえ 負かした高校 漬物石みたいに思ってんだ?
ふざけんな
なにも恥ずかしいことない
おれたち正々堂々全力で戦った
おまえの中にも残ってるだろ?
ずっと連れていく いちばん近い味方なんだよ」


ちはやふる4巻
ビーラブKC・末次由紀
(ビーラブ掲載)


★あらすじ★
かるたの楽しさを教えてくれた新(画像)に逢うために、勝負するためにかるた部を作って都大会を勝ち進む千早と太一。即席で作った5人のチームだけど、精一杯頑張ってきた。決勝は強豪の北央学園!



☆☆☆

というわけで「楽しい部活漫画」の現在最高峰「ちはやふる」です。
かるたはスポーツ。体力いるし汗だくになるし記憶力のために糖分摂取を欠かすことができない結構しんどい競技なのです!
主人公の千早たちは自分たちで部活をつくり仲間を集め、ヒマをことごとく削ってその上やる気とモチベーション上げに成功しました。特に勉強にがんじがらめだった机くん、古典が好きでかるた競技に必要ない意味を重んじる大江さんの考え方の違いをまとめていくとこは最高。
見事に都大会を優勝しますが、北央学園から「この優勝杯はずっとうちのものだった!先輩たちは今年が最後だったんだ」と言われる。
優勝はすごいこと。だけど千早の家は姉・千歳が大人気モデルで千早のことなんか気にかけもしない‥学校もマイナー競技のかるたなんか目にかけない‥
誰も私たちの優勝など喜ばない、だったら北央を勝たせればと思ってしまった千早の嘆きに、幼なじみの太一は冒頭の言葉を告げるのです‥!
北央学園はそのあとに全国大会のデータをよこしたり宿泊先を紹介してくれていました。
かるたを好きな同志はたとえ敵であろうと仲間、味方なんですね‥

(‥って割り切れるのは数少ないかるたをやる人だからなのか彼等が大人だからなのか、スポーツマン精神があるからなのか。負けを割り切れない人たちの群像は「おおきく振りかぶって」桐青の河合和己・美丞大狭山の仲沢呂佳が体現しちゃっておりますです)

そのうえ希薄だと思っていた家族や顧問も千早たちに理解を示していたということがわかり、全てがやさしく包まれて大会に挑む姿に目がほころびました。
特に女帝・宮内先生の変遷と働きっぷりは面白過ぎます!

そして福井に行ってしまったまま会えずじまいだった新。彼はかるたを休んでいましたが、その胸中は‥


さてさて、末次先生は別フレ時代恋愛漫画の名手だったわけで別フレ特有の「ドロドロ」をずーっと書いてたんですが、
「ちはやふる」は千早に新と太一、トライアングルを設定しているにも関わらず全く恋愛が発生していません!

まず3人が何よりもひたむきに「かるた」が好きであること、千早が姉ゆずりの美貌を装備してるくせに目を開けて寝たり「女子」だということを忘れていること、しかもかるたの師匠原田先生(医者・27歳年上)を1番好きと宣言してる(笑)。
3人が3人ともまだ「子供」のまんまなんですよね。本人達は認めたくないかもしれないけど、原田先生みたいな大人からみればかるたを始めた小学生のときと同じ。太一はちょろっと千早に想いを抱いているのですが「新と共有したまま」と思ってます。

これは読者年齢が高い「ビーラブ」だからこその視点でしょうね。読者はこれを読みながら「生徒諸君」読んでるわけですから。完全なる母視点です。

母視点の漫画でいきなり「千早はおれのもんだー!」「太一も新も私のために争わないでー!」とか始まったら読者はこの漫画から目を反らすだろうなーと思っています‥
だけどなぜ千早が「回りが振り返る美人」だったり姉が芸能人なのか‥なぜその危険な要素を孕んでいるのか。「高校編」が終わったら分かるのかな‥?

いや、しかし‥

今巻でついに「現クイーン」が現れましたが‥本誌ではやっぱり「美人なのにださいTシャツを着ている」千早とどっこいの変人なんですよね‥
この漫画に美貌は関係ないのかもですね。「画面的な見映え」以外では。


ぜひぜひこのまんま「ガチンコでおっしゃあな筋肉かるた漫画」でいってほしいと思います。

今女性向け漫画が生き残る道はこの辺にかかっているのです。ス●ーツ(笑)は漫画を読まない、だったら漫画好きを引き付ける方法を選んでいくべきなのです。