秋田書店は「ミステリーボニータ」「プリンセスGOLD」等ホラー漫画が多いですが、チャンピオンも負けていません。
なにかとヤンキーイメージが強いですが、昔から「ホラーとファンタジー」がありました。手塚治虫先生のいた土壌が弟子を何人も作ってきたのです。
ヘレンesp1巻
木々津克久・チャンピオンコミックス
(週刊少年チャンピオン掲載)
★あらすじ★
高原ヘレン16歳。ハーフの美少女だが、過去の事故で両親を失いしかも視覚と聴覚と声をなくしてしまった。現在は叔父の元に身を寄せている。しかしヘレンは幸せ。叔父さんはとても優しいし、仔犬から飼っていたヴィクターを盲導犬としてそばに置いているが、
実はヘレンはヴィクターと話すことが出来る。ヴィクターはヘレンの目であり理解者。
そして、ヘレンはいつも誰にも見えない「何か」から呼ばれ、求められてしまう。何故?優しいヘレンは「彼ら」をまっすぐ受け止めるのだが‥
☆☆☆
ヘレンは見ることも聞くことも出来ないので叔父さん達からは手の平に文字を書いて貰い、ヘレンは筆談で返します。ヘレンは自分の不自由さをうらまず、周りの人々がやってくれる事に笑顔で感謝します。ヘレンにとって人間とのコミュニケーションツールは文字と笑顔だけです。
しかし、ヘレンは五感を失った代わりに「第六感」を持ちました。ヴィクターとはなんの障害もなく会話が出来ます。テレパシーでしょうか。
ヴィクターは「君はもう人間より僕たちに近いんだよ」と言います。ヘレンは世界に人間以外の求め訴える存在をだんだんと知っていく。たまに翻弄される。
‥しかし、ヘレンはそれを誰にも話すことができないのです。何のためにヘレンは「受容体」となってしまったのか。使命なのか偶然なのか‥?
とにかく一度お手にとってみて下さい。自分はチャンピオン本誌で第二部から読みましたが、その時から引き込まれています。
ヘレンの優しさに癒されることもあり、人間が何気なく行うことで蹂躙される動物や植物の叫びをズキズキと感じ、自分ら人間の思い上がりを見せ付けられる。
野犬から身を守り駆逐することは正義か。美しい花を誰かに贈るのは優しさでしょうか?
毎回たった16~20Pで非常によくまとまったショートショートを味わえます。毎週これを書いてるのかと思うとスゴイです。
正直な話、「古い漫画だな」と思います。ヘレンはロンスカだし(そこも萌えか?)、トロさあどけなさが昔のSF漫画に近いです。絵も新しくない。でも一部二部と連載を重ねついに今年から本連載が始まりました。チャンピオン読者からの理解と要望があるのです。ほかの少年誌では絶対に読めないと思います。
でも少女誌や青年誌でもできる内容なんですよね。何故チャンピオンなんだろう?と思いますが、そうでなければ自分は出会えなかったです。
最後に、いろいろな真実を訴えかけるこの漫画の「真実でない」ところを一つ。
ヘレンは障害者で盲導犬をいつも連れています。ヘレンが誤解されることもヴィクターが店から追い出されることもありません。町の人はヘレンの行動範囲を把握しており、最寄りのバス停が近づくと教えてくれます。
そんな町がどこにあるのか、残念ながら自分は知りません。見えない物より現実味のない「日常」も、この漫画の一要素なのかもしれません‥
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