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「人はみな、考えるスケベである」


堀井雄二のコンピュータクエスト
堀井雄二・二見書房(おそらく絶版)
注:カテゴリは「まんが」分類ですが、これは実用書です。中味は文章です。



☆☆☆

実家にいるとなにかとヒマなので、本棚をごそごそやってるとかなりおっかないものが出てきます。


去年の今頃も同じようなことをしていたんですが‥「そういやこんな本があったな」と引っ張り出してみました。


この本はドラクエⅢが出た当時に発売されたもので、おそらく堀井さんが出した初めての単行本だと思います。

当時ファミコン大好き小学生だった自分にとって、すでに堀井さんは「神」でした。ファミコン雑誌にこれの宣伝がでており、地元では売ってなかったので(田舎だからさ)電車で40分かけて買いに行ったんです。
自分は「もっと堀井さんの頭の中が知りたい、ドラクエを作った経緯とか書いてあるかな」と思っていたんですが‥


‥実は「難しすぎてパソコンにさわれない若者のための指南本」だったんです。
今でこそパソコンはWindowsがあるからアイコンクリックすればなんでもできるけど、当時パソコンつったら「PC98」で、ソフトもまだ5インチフロッピーだったり「AUTOEXEC」って入力しないと起動しなかったりで、「パソコンを持つのはプログラマだけ」という意識。そんでも持っていたらカッコイイので買ってみるとものすごいユーザーマニュアルがついていて、内容が難しすぎて投げ出す人が多かったそうなんです。


その状況を堀井さんは嘆いていたんでしょう。だから「パソコンなんて難しくない!」ということを軽いノリで一生懸命説明してくれる本なんです。自分は目的を大いにハズしましたが、さすが堀井さん、すごく読みやすい内容で解説してくれてました。だから現在もこの本の内容をよく覚えています。


堀井さんはパソコンはバカであるといきなりぶっちゃけます。何故なら入力しなければ動かないから。エラーが起こってもバカだと思えばなんてことないわけです。

今でも「私、機械オンチだから‥」と電化製品に触ろうともしない女性がいらっさりますが、あれは「どこか変なボタン押したら壊れる」と思っているんでしょうね。

んなこたない。パソコンを始めとする電化製品はバットで叩かない限り壊れません。

自分がパソコンを持つのはそれからずいぶん先でしたが、「パソコンはバカ」という言葉だけでずいぶん楽に向き合えたなあと思います。
あと、BASICの簡単な命令で作るくっだらないプログラムとかが乗っかってました。「ゲーム開始 ボタンを押してください」とディスプレイに文字が出ているので何かキーボードを打つと「やーいひっかかった!バーカ!」と出てくるとか‥



そしてちょっとだけでしたが「ドラクエⅠ」を作った経緯が書いてあったり‥
あと、「Ⅲで『ポートピアの町』を作るつもりだったがメモリの関係上割愛した」という文章があります。これはゲームの進み具合で町の人の会話が変わり、事件が発生して‥というものだったそうですが、2メガだからねぇ。
でもそれはきっとイエローオーブの「○○バーク」であり、Ⅶから現れる「移民の町」に移行したりシリーズが進むにつれて町の人の会話にメモリの余裕が出てきたので解決していったんですよね。


あと、アドベンチャーやシュミレーションなどゲームのジャンルについて今でも当て嵌まる指摘があったり、まだ脱衣麻雀みたいなのしかなかった当時、エチなソフトについては「ご褒美でエチな画面を見るだけではつまらない。女の子に性格をつけて会話をできるようにしたい」と‥現在を見透かした文章が入っていたりするんですよね。ネトゲについても書いてある。逆に堀井さんはモンハンが出てくるまでに20年かかるとは思ってなかったかもしれません。


さすがドラクエを作った人だけあるよなーと思います。
イラストはご覧のとおり桃伝・桃鉄の榎本さんだし、「きむこう」に当たる人も中によく出てきます。

これはもう絶対に売っていない本だろうな、と思います。これを売っていた当時も探すのが大変でしたからね(売れなかったのかも)。

それを買っていたアホな小学生がいたってのも問題だったわけですが。当時の750円て、小学生の小遣いからみればかなり痛かったんじゃないかなと。
で、これをある程度バイブルとして育ったらこうなっちゃったわけだし‥

ああ、青春の影。