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この街に来て10年になります。

大学に通うためやってきて、卒業してからも残っています。みんなは都心に引っ越したか、故郷に帰ってしまっています。


私の故郷は温暖で魚もおいしく井戸水で生活が成り立ちます。そこそこ栄えていて、暮らす分に不便さはありません。


この街は夏は暑いし冬は寒いし、水はゴムの臭いがするし魚は干からびているし、おまけに野菜が危険です。


それでもここの街の夕焼けがとても綺麗で、

つい住んでいます。


なぜか、故郷ではこのような景色になりません。


たった一つ、向こうに足りなかった物。

その威力がはてしなくて、未だに帰れません。



人のつながり、温かさ、家族。
自然、食べ物、それらの事象。


いつも、それを好きでなければいけないのかな。


そんなちょっとした気持ちが私にシャッターを押させます。


でも、携帯が母の着信を告げて、私はいつものように答えます。


今日も生きてるよと。