よく行くコンビニに「サービス向上」とかいうポスター貼ってありました。こういうの見るたびに、「上の人は気楽だなあ」と思うわけです。サービス業やっていると給料は少しも上がらないのに、そういうお題目だけは増えていき、何か一つクレームがあれば連帯責任。神経をますます使うことになる。

いろいろ背景はあれど商品に一つ落ち度があると、全部捨てたり働いてる人にまたルールが上乗せ。
そこまで目を光らせる必要あんのかなと思ったりするんだけど‥

しかし、このコンビニに最近入ったおばさん。
レジで商品をバッと受け取りぶっきらぼうな口調で金額を言う。お金を払うとサササ、バッとこちらの手に小銭を押し入れる。
笑わない。

うーん、最近入ったばかりだし、なんか前はかたい仕事してたっぽいな。作業自体はもたもたしてないから。ちゃんとしてるんだけど乾いた声でありがとうございました言われても。

このコンビニにいる人は若いとだらだらしてたりはするけど、冷たい感じだけは受けなかった。たまに優しいおばちゃんがいて、いつもにこにこ応対してくれる事もある。だから余計に際立つ。

そんで今朝も行ったら、その人が全く同じ機械的なレジをするんです。

こっちは非常に迷いましたが、

「あの、少し無愛想ですよ。気をつけて下さい」
と小さい声で言いました。

‥自転車に乗りながら、「言い方良くなかったかな‥本人にいうのキツかったかな。でも店に言うともっとひどくなりそうだし‥でも若い奴に言われたらハラ立つよな‥?そういえば『申し訳ありません』とかは言われなかったっけ」
とぐるぐる。こっちもレジはやってたし、そんな事を言われてへこむ事いっぱいありました。でも自分は笑顔を忘れなかったしな。あそこはわりと使うコンビニだし‥


クレームを言う人はこんな風にぐるぐるしているのでしょうか。


別に甲高い声で「一緒にポテトはいかがですかぁ?」とか「喜んでー!」とかは求めてないし、あれ聞くと気持ち悪さを感じる事があります。20世紀少年で「喜んで!」と言っていて「はぁなるほど」と思ったり。

サービスってなんだろう。


‥うちのちょうど真裏に小さい小さい本屋があります。うちの街はことごとく大型書店が消えているのに、この店は開いている。
入るとジャンプコミックスはあるけどサンデーマガジンのコミックスはないみたいな‥

この店どうなってるんだろう、でもこういう店はなくなってほしくないよなと、ちゃおとなかよしをそこで買うようにしました。

それで、いつもおじいさんとおばあさんが交代で店にいるっぽいなと思って、「今日、おじいさんは?」と聞いてみたのです。

すると、「ああ、今配達に行ってるのよ」

ええ??「いくらで?」

「やだ、そんなものサービスよ。うちは売り上げのほとんどが配達だからね」

タダ??他の本屋は宅配便使うから配送料まんま貰うのに!

某テレビ番組で「なぜこの店は潰れないのか?」というコーナーがありました。まさにこのパターン!

しかし‥ガソリン代馬鹿にならないよなあ。本屋は儲けがないに等しい。
「車だとお金は大丈夫ですか」
すると、とんでもない言葉が返って来た!


「やだ、私も主人も車に乗れないのよ!自転車よ!」


ええーっ??


「雨の日は?」
「カッパ。台風の日はさすがに無理だけど」
「どこまで配達してるんですか」
「●●ニュータウンとか‥△△とか」

呆然。●●ニュータウンは駅二つ先+バスの物凄い町外れで、自分の足でも恐らく一時間以上漕ぐだろうし、この街は丘にむりやり作ったようなもんで、坂道が半端ない。△△も隣街ぎりぎり。

「すごすぎますよ!毎日やってるんですか!」
「ええ、主人と交代でね!さすがに日曜日は休ませてもらってるけど‥」
「配達先で不在の場合はどうするんですか」
「請求書を書いてポストに入れるのよ。いつでもいいのに、その日に慌てて払いに来る人もいるわね」
「もし‥うち、あの建物の向こうですけど配達頼んだらどの時間に来ますか」
「この辺は朝7時で終わらせるわね」
マジかよ!他の本屋は10時にのうのうと荷解きしてたりするのに。

「すばらしいですね‥!」

しかもこのおばあさん、高校教師だったそうで、近所の子供が宿題を教わりに来るらしい。
「大学生の論文代筆したこともあったわねえ!」
と笑った。


自分はたちまちこの本屋のファンになりました。気になって早売りを求めに行く以外は雑誌を買います。おじいさんも「いつもありがとう‥」と出掛けの自分のためにドアを開けてくれます。

この前の歯医者さんといい、この街は不思議に温かいです。「サービス」という言葉にしたらその感動が壊れてしまう、そんな店がまだあるのです。

いつから、サービスはおかしくなっちゃったんでしょうね。