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はい、昨日は砂肝を炒めたやつと大根の梅あえとセロリの漬け物でした。みなさんはいかがでしたか?



‥ではなくて、そういうタイトルの漫画でございます。

紳士の雑誌週刊モーニングによしながふみの表紙が出た時、「ついに時代は変わっちゃったな」と思いました。

よしながふみさんを説明するなら5年前に月9でドラマになった「西洋骨董洋菓子店」が一番わかりやすい。タッキーとか椎名/桔平とか藤木/直人とか阿部/寛がケーキ屋さんやってたアレです(もう5年も経つのか‥)。これがドラマになった時も仰天しました。
だって原作はぶっちゃけ「ホモ漫画」ですから。ゲイ漫画って言った方がいいのか。

ドラマではぼかしてましたが、藤木/直人の役は、ノンケも惑わしちゃう「魔性のゲイ」です。最終的には椎名/桔平のキャラとまったりな関係になります。


よしながさんは商業誌にデブーする前、大人気同人作家でした。そしていろんな会社でBLを書いて今でも古い作品が文庫として売れています。

でも自分は「BLとはちょい違うんだろうな‥だいたいBLって言葉が出来る前から書いてたわけだし」と思っています。

現在売られているBLは比較的絵柄が少女漫画ですよね。受けの子は「女の子」と勘違いしてもしかたない風にかかれてるし。あとほとんどが短編だし、展開も派手。

よしなが先生の絵は「がんばれば男性でも描けるかもしれない」、いろんなものを極力廃除したけれんみのない絵です(実際ぱふのインタビューで「負担にならないよう装飾を省く形にした」とおっしゃっていました)。二ノ宮知子先生や佐々木倫子先生も分類は同じですね。

だから男性でも絵は毛嫌いしなくて済むと思います。

しかし、この人は一貫して「リアルゲイっぽい」世界を書き続けています。

安野モヨコさんは大丈夫でも、この人はええのかな?と思いました。


あらすじ。

43なのに若さと美貌と体型を維持している弁護士・筧史郎。しかし仕事は6時にきっちり片付け、部屋に戻ってご飯を作るのが生き甲斐になっています。そして同居人は美容師の矢吹賢二41歳。
はい、二人は恋人同士。どちらかというと史郎がネコらしい。
そして史郎は賢二のためにご飯を作って一緒に味を分かち合って暮らしているのです。


学生時代に実はゲイなホストに食われたとか、女の子と付き合ってもしっくりいかないとか、親が理解しようとしてギクシャクしてるとか、二人がゲイであることは忘れさせないのですが、
この漫画はむしろ「料理漫画」です。


一話一話にかならず夕食を作るシーンがあり、作り方が史郎の説明でゲンミツに書かれています。
これを読んで「おひたしにするしかないほうれん草をこんな簡単な形でアレンジするなんて!」と感動したほど(自分‥女が終わっている‥)。

そしてご飯を作ってなにか発散させたり、食事をしながら日常を考えたりします。しかもご飯はいつもおいしそう。


今に始まったわけでもなく、「西洋~」でもお菓子のウンチクがわかりやすくおいしそうにかかれていました。

月並みな話、「食欲=性欲」だし、「料理=合法的なスプラッタ」です。

豚のブロック肉をひたすら包丁で切っていると妙にスッキリすることがあります‥。

文芸作品でも食事シーンにこだわるものは多いです。
どんなに仲が険悪だとしても、同じカマの飯を食べているというのは、相手と味覚を共有しているわけで、その時「おいしい」と思えば無意識で相手と繋がったことになる。
(よしなが作品は美味しんぼなどのグルメ漫画ともまた違うんですが、それはいずれ)

史郎と賢二は多分やることはやっているのでしょうが、一巻を読んだ限りでは濡れ場はおろかキスもありません(実際あったら島耕作読んでるおじさんが裸足で逃げますけどね)。
でも二人は恋仲なのです。毎日必ず一緒にご飯を食べて会話を交わしている。それだけで二人は充分。

40代のゲイ、いい加減体力も尽きてるだろうし、大人になっちゃったし、見せ付けることも飽きちゃったし、どう関係を持って行くか二人は模索し続けていると思います。BLなら片方はあっても両方おじさんなんてことはまずありえないし、肝腎の部分が外されて「朝チュン」になったりすると読者が怒りの手紙を送り付けます。あれはおとぎの国の話です(それを楽しむのがBLのいいとこで、自分は好きです)。

だからよしなが作品はゲイ漫画だけどBLではない。リアルゲイならではの苦しみや悩みがたまに顔を出します。まあ‥史郎みたいな美貌のおっさんなんて現実存在しないから、そこが漫画ですね。


でも「ゲイ‥??」と拒絶する方もいると思います。メロディじゃなくてモーニングだもの。

でもよしなが作品のすごいとこはゲイの事をかなり掘り下げていて、日常にゲイが溶け込むことのズレを書ききっています。

男性の方、まずとにかく一話だけ読んで、史郎の母親の言動を味わってください。
そこにはゲイであることをこえて、いろんな種類の差別に一貫して言えるメッセージがこめられています。
これはすごいな~、と思いました。


さて、モーニングで連載が始まり単行本が書店の平台にどっかり陳列されていて、店によっては売り切れていると思われます。

そうなると自然に考えられるのが「ドラマ化」です。

「西洋~」の時は原作にいるはずのない女性(小雪)がいたり同性愛をぼかしたりしていましたが、5年経過したしこの話から「ゲイ」を外すわけにもいかないし、さあ、どうする。


ステキな40代→福山/雅治・阿部/寛・椎名/桔平‥。

もしこの辺が演じたらファンはどう感じるのか‥?阿部さんは「怪優」だからいいとしても‥

そこら辺の「受け入れ」も今は変わってきているのでしょうか。


とにかくこの漫画、面白いので是非。