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もはや自分の中で最強の少女漫画「君に届け」です。5巻が22日に発売。


説明不要の漫画です。「この漫画がすごい女性部門」2位。読んで「嫌い」と思う人はいないでしょう。読んでいない人は即買いましょう。
ただ品薄だったりします。


君に届けを読んでいるといろんな事を考えます。

1:もし爽子が外見と同じで陰気だったら
2:もし爽子がくるみくらい外見がかわいかったら
3:もし風早と出会わなかったら
4:出会った友達があやねとちづではなく、もう二人の方だとしたら


2なら高校に入った時点で中身もくるみになってますね。
3だと‥虚しいけど爽子はがんばり続けるからいずれ大人になって花ひらくかな。事情が学生時代と変わってきて「取り返しがつかない」状態になるかもしれないけど。
4ならりぼんです。あの子たちじゃ爽子にふつ~の恋愛相談とかしますよ。爽子自体はりぼんでも通用するキャラクターです。別マたらしめているのはあやねとちづの存在です。



で‥
5:爽子が男だったら


完全にシザー/ハンズになりますね。だいたいうまくいかない悲劇になります。
なんでだろう。男性が共感を持つキャラクターになるはずなのに、幸せにならない。

読者への戒めなんでしょうかね。「そんなにうまくいくと思うな!」って。


占い師が「あなた誤解されやすいですよね」と言えば、「なんでわかるの」と思う人は90%。
みんな「誰も本当の自分を分かってくれていないんじゃないか」と思っているのでは。

素のままで生きるのは辛いのかもしれない。でも誤解されるのも歯痒い。

爽子は外見で損をしています。しかもそれは努力してどうなるもんでもないことが実証されている。
外見のせいで人と関わらなかった無垢な子が、いきなり世界が開けて動くと回りに影響を与えます。

でも読者の中で「爽子は私と同じだ、いつか風早くんみたいな白馬の王子様がくるのかしら」なんて思っている人が‥いたらどうしよう。

甘いですよね。
爽子は「いるようでいない」キャラクターです。
だって16年も怖がられ続けたら普通心が折れます。「1」のパターン。だいたい白●社の漫画になり10巻くらいかけてトラウマを治すのでしょう。

でも爽子はいつか来る日のためにノートをとったり気遣いを怠らないすごい子です。外見を恨まず、受け入れている(だから受動的なんですが)。

普通はできないと思います。風早を狙っていたわけでもない。なんであそこまで無垢で明るくいられたんでしょうね。

だから自分は爽子に共感はしていません。ただただ風早やちづやあやねのように、爽子に気づかされ、驚き、癒されます。くるみは爽子を「心の鏡」だと思ったのでは。爽子にのめりこむたびに自分が薄汚れていく。

自分と同じではない、
だけどすごいすき。
爽子は友達に欲しい子です。

5の男バージョンも、共感の立場でなければ幸せになるかもしれません。

吉本ばななの小説は「フツーっぽさと読みやすさ」で一気に話題になりましたが、ある書評でこう言われています。
「あの子の感性は『フツーに見えてフツーじゃない』。もし吉本ばななに憧れて小説を書こうなんて思っても簡単にマネできる代物ではない。だけどそこを見誤りやすい」

‥キッチンを読んで自分は泣きましたが、あれは主人公に「共感」していたのか?どちらかというと爽子と同じ「はっとする違和感」に心が揺り動かされて泣いたんでは?


ちまたで「泣かせる」小説と映画が蔓延しています。
あれは共感でしょうか、違和感なのでしょうか。自分は全く読んだことがないのでわかりませんが、見た方はどう思いますか?