―NHKの放送が終わった。

いつもなら耳をつく電子音と共にカラーバーが現れるが、今夜は違う。


三橋は、自室のベッドでタオルケットにくるまっていた。液晶テレビは静かな音楽が流れ、日本列島が円のようなものに食われる姿が写っている。


暴風が窓枠を激しくノックする。三橋はタオルにくるまったまま、膝を抱えた。


静寂を届けるテレビとは対照的に、家の外で風と雨がぶつかり合い、空気を破壊している。



広い部屋だ。


だから‥オレはこんな部屋、嫌だったんだ。

10人入ってもまだあまる空間に、今は一人しかいない。

自分がいないうちに、内装も変わっている。壁紙は自分を拒絶しているような気さえする。


―いや、きっとオレは‥


オレを助けてくれるものはきっと、この部屋のどこにもない。



三橋は、震えた。

寒いのに、震えるのに汗が出る。首から伝い落ちてタオルにすいこまれていく。


何か大きな物が外で転がる音。何かにぶつかってシンバルみたいに弾ける。三橋はびくついたが、彼はもっと大きな恐怖に備えなければならなかった。タオルを握る。木綿はかたくかたく、縮んでいく。



怖い。


こんな思いは初めてだ。


肩を抱く。雨が窓を揺さぶる。

顔を覆う。庭の木がしなる。



―来る。


大きな音が空気を割った。

三橋は叫んだ。


言葉になっていなかった。闇の中、すがるものを求めて腕が空回りする。タオルが激しい動きに堪えられず拘束し、三橋はベッドから転げ落ちた。


痛みにこらえ、四つん這いでもがく。


「あ‥あ‥!」


音は鳴りやまない。



三橋は耳を塞いだ。



もうダメだと思った。



呼吸が荒くなる。「こ、来ないで」


計り知れない、逃げることのできない恐怖。


「うわぁぁぁぁぁぁ‥!!」


三橋は床に伏せて動けなくなった。










―ベッドの隅で、白色の携帯端末が光っている。




サブディスプレイに、赤い文字が浮かんでいた。







「着信アリ 阿部隆也」








全米が震撼した!

あなたはこの恐怖に堪えられるか??

「着信アリ」

主演・三橋 廉(新人)


近日公開!!!









‥ヨタ話申し訳ありません‥。