2004年2月。溜池山王の国際交流基金アジアセンターで「アジア女流マンガの世界」というフォーラムが行われた。
前から「韓国マンガはすごいらしい」と聞いていたのと、渡瀬先生がパネリストとして出るということで出掛けてみた。
衝撃だった。日本の漫画しか読んでない日本人の自分は、向こうの人がうらやましい‥と思ったのだ。だってアジアでは自分達の漫画が読めるのと同時に翻訳された日本の漫画読み放題なのだ。
とにかく韓国の純情漫画(韓国では少女マンガのことをそう呼ぶ)はすごい。パネリストとして現れた大学助教授、佐島顕子さんがものすごく熱く語ったのだ。彼女は韓国史を教えているが、学生に韓国の漫画を読ませて向こうの意識を学ばせているらしい。
すると学生がハマる。続きの翻訳を迫るのだそうだ。
特に語ったのは「宮(クン)」。韓国の王朝が消えずに残っていたら?というとんでもないパラレルワールドを作り、主人公が何故か皇太子妃にされてしまう‥という話である。韓国では爆発的人気で今も続いている。
日本人だったらどうする?皇室に嫁ぐ話なんか描けるか?
しかもこのパク・ソヒという作家は歴史をよく勉強していて、韓国王朝のしきたりや王族の衣装、建物の精密さにぬかりがないのだ。
で、現在‥一年ほど前から新書館の「ウンポコ」に「らぶきょん」という邦題で掲載が始まった。訳しているのはもちろん佐島助教授である。
それが単行本として出る、と聞いたとき「やった!」と思った。今は毎月単行本が出ていて、ハラハラさせられている。
しかもドラマになっていて、今深夜に流されているはずだ。韓国ドラマ雑誌に「らぶきょん」の字が踊っている。
これがもっと世間に知られるようになれば、他の韓国漫画も訳されて読める日がくるかな、と思う。
韓国に友達がいる。彼女に「少女漫画雑誌を送ってくれ」と頼んだら「ミンク」と「ウインク」がやってきた。
「ミンク」はいうなればりぼんである。種村と今はしゅごキャラが掲載されていて、それと対象年齢が同じと思われる漫画が載っている。ちなみにしゅごキャラ、画面が反転である(前は愛してるぜベイベが載っていたが、やはり反転だった)。韓国漫画は反対綴じなのだ。しかし種村は反転すると悲惨になるのか、巻末から日本のままの画面で載っている。
「ウインク」は「宮」が載っている、マーガレットに近い雑誌。しかし年齢層は意外に高そうで、歴史物が半分を占めていた。
韓国の少女漫画家は日本の漫画をよく読んでいて、非常に絵が日本の漫画っぽい。でも雑誌を問わず読んでいるからりぼんに花ゆめがまざったような絵が出来上がっていたりする。
画面を見ていてつくづく韓国語が読めないことに歯痒さを覚える。
ただ、彼女たちは「イラスト」としては非常に上手いのだが、何か動きがぎこちない。なんでだろう。
とにかく絵を見ているだけでも充分楽しい。
なんで、日本では日本の漫画しか読めないのだろう。
これから韓国はどんどん力をつけていくと思う。あっちは日本の技術をどんどん取り入れていくのに、こっちはなにもできないのだ。
早くなんとかしないと漫画界がのっとられるかもしれない。
まあ、おもしろいものが読めればなんでもいいが。

