女の体には、子宮という
「器」が備わっている。
男の体には、この器に
類するものが無い。
だから、器をつくり
大きくするために「修行」が
必要になるんだそうな。
修行というのはつまり、
昔の場合なら狩猟や漁をしたり、
武術を身につけたりすること。
現代の場合は筋トレやスポーツ。
それから、
毎日同じ時間に起きて
同じ場所に通い、
同じパフォーマンスで働くのも
男のための修行。
それは本来、女にはできない……
というか、する必要のないこと。
女は、波のある体に
乗って生きるだけで、
すでに大変な業をこなしている。
組織の一員となって
「勤める」という働き方は、
もともとは男の世界
だけの話だった。
男女平等が謳われ、
女も男と同じように
キャリアアップを目指し
働く時代になりつつある。
……けれど、男と同じように
働くようには、女の体はできていない。
「男に負けないように」
「男に劣らないように」
そう思って頑張って
働こうとすると、
女の体は壊れる。
多くの場合は
婦人科系の病気になって
強制終了を迎えることとなる。
私は、バリバリ働いて
キャリアを目指していたとき、
「男にならなくてはいけない」
と思っていた。
女の自分を封印して、
背広を着て、男勝りに働いた。
「若いし、女だから」
と低く見られるのが
いちばん癪（しゃく）で、
生理痛なんて無いふりをして、
タンポンで栓をして
何時間でも会議に出た。
体はボロボロだったんだ。
不正出血が止まらなくなっていた。
毎日生理みたいに
出血が続いていた。
それも、どす黒く
固まった血ばかりが出る。
うつ病になった後、
ようやく暇になって
産婦人科へ検診に行った。
子宮筋腫ができていたよ。
子宮筋腫って、
悪性にはめったに
ならないそうだ。
ひとまずは
経過観察になった。
下腹にある
コリコリとしたシコリ。
それをさわってみて
ようやく私は、
女である自分を
ないがしろにしてきた
ことに気が付いたんだ。
女であるという修行は、
罪悪感との戦いだ。
こんなにやることあるのに、
ダラダラと休んでいていいの？
こんなに偏ったものばかり
食べていていいの？
こんなに本音を
他人にぶつけていいの？
こんなに体のために
お金をかけてもいいの？
快適を選ぶために
お金を使ってもいいの？
今までやらないように
してきたことばかりだよ。
どんなに体がツラくても
モチベーションを上げて働き、
栄養が偏らないように
食事に気をつけ、
本音は奥歯で噛み殺し、
経費節約のために
安い交通手段や宿を選び。
それが正しい
社会人だと思っていたよ。
そうしていたら、
怒られないから。
ああ、私、
怒られないために
頑張ってきたんだな。
🌟みあんご🌟
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