私は…あんたの事が…
______好き
「……え?いま…なん…え?」
赤い瞳が大きく見開かれ、プロイセンの真っ白な頬が真っ赤に染まる。
最初、何故驚いているのかハンガリーは気がつかなかった。
「今…す…き…って言った…のか…?」
と言うプロイセンの震えている声にやっと自分がなんと言ったのか思い出した。
「………」
「……おい?」
色々とショックで目の前が真っ白になる。
(な、なんでこうなったの?!)
記憶をたどると泣いていた理由を聞かれて居たはずだ。
色々と考えているうちに脱線して変な事を口走っていたようだ。
「ちがっ?!理由を考えてたら色々と考えが脱線しただけよ!」
ハンガリーは涙目になりながら急いで言い訳をするが、プロイセンはもう泣いていた理由はどうでも良くなってしまっていた。
「どう脱線したらその…すき…って事になるんだよ!」
「バカイセン!繰り返すんじゃないわよ!」
「お前が言ったんだろ?!」
ここまで来てしまうとプロイセンが言うまでずっと聞いてくるのがもう分かっていた。
ハンガリーは溜息をついて小さな声で言った。
「……泣いた理由を聞いたでしょ
だから…その…
昔、私が女だと分かった頃を思い出したのよ…。
でも、理由はそれだけじゃない…
あの時、あんただけは私を慰めようとはせずに…対応を変えようとはせずに…むしろ、からかって…いつも通りに接してくれた。
それが嬉しかったのよ…あの時の私はね。
それを思い出して…涙が出てたのよ」
ここまで言い切るとハンガリーはまた黙った。
今までずっと言わなかった思いを言った恥ずかしさもあったが、この気持ちを言って関係が変わってしまうのではないか…そんな気がして怖かったからだ。
だが、プロイセンは首を傾げて言った。
「ん?俺はお前が言った…その…好きって事を聞いてたんだけどよ…それはどうなんだよ…?」
それを聞いた瞬間、ハンガリーの中でピーンと張り詰めていた糸が切れた音がした。
「あんたは……!
な、に、を、言ってるのよ…!」
怒りでフルフルと震えているハンガリーを見て、プロイセンは反射的にハンガリーから離れた。
今まで壁に押さえつけられていた力が無くなったハンガリーはズイッとプロイセンに近寄った。
そして胸倉を掴みながら怒りに任せて怒鳴った。
「こんの…鈍感野郎!
ここまで言えば分かるでしょ?!
察しなさいよぉ!
私はねぇ…好きって言った理由を言ったの!
あの時、対応を変えなかったあんたが私は嬉しかったのよ!
だからっ……もうっ!!」
自分で言っていて理不尽なのが分かる。
私はキチンと言っていない。
プロイセンがさっきので分かるはずが無いのは知って居たはず。
恥ずかしくて…怖くて…変にオブラートに包み過ぎた。
だから…あんたに…超ストレートに言ってやるわよ!
「……私は…あんたが…好きなの!
ずっと昔から…何百年…何千年も前から好きなのよ!
背中を預けることのできる安心感も、凹んでる時に遠回しに心配してくれるのも、全部…全部大好きよ!
好きって言った理由?
そんなの一つに決まってるでしよ!
あんたの事を好きじゃなきゃ言わないわよ!
この超鈍感バカイセン!」
勢い良く言ったので酸素が足りなくなり、肩で息をする。
頬が赤く染まっているのが分かる。
なぜか涙が出そうになり、涙目になってしまう。
ああ…とうとう言ってしまった。
今までの関係が…ガラガラと音を立てて崩れて行く。
次回予告
2人の壊れた関係の終着点
「プロイセンの答え」