父の同級生70代ご夫婦の話です。
定年退職してますます口が悪くなったご主人。
それをうまーく乗りこなしている奥様。
まるで漫才のような掛け合いのお二人。
先日昼どきの事。
ご主人はいつものようにテレビ前の座椅子に肘をつきながら番組鑑賞。
奥様はご飯のお支度。
やがて用意ができたので「できましたよー!」と呼ぶも食卓へ来ない。
は~やれやれ
いつもこうなんだから。。
何度か呼んで「やかましいっ!何回も言わんでもわかっとるわいっ!」といいつつご主人登場が毎度のこと。
その日も「できましたよー!」と連呼するも来る気配がない。
あれ?そろそろ夫の「やかましいっ!」が飛んでくるはずなんだけど?
気になってリビングのテレビ前に様子を見に行くと
熱心に番組を見ているご主人。
なぁ~んだテレビ番組に夢中なのか、と台所へ戻ろうとしたところ
なにか違和感。
「ちょっとあなた?」
・・・(テレビ凝視したまま無言)
「あなた?」
・・・(同上)
なんと!
目を開けたまま意識を失っていた!
救急搬送
脳梗塞だったという。
左脳に血栓が認められたため全身麻痺。
そして言語が不自由になってしまった。
父がお見舞いにいった時、一筋涙を流したご主人。
うん、ちゃんとわかってる。
その御礼に写真館へいらした奥様。
「あれだけ文句たれの人だから、リハビリ前に“うるせえっ”って出るかも」
なんて涙ぐみながらも冗談めかして話してた。
でも本当に奥様がいなかったら、誰も気づかずご主人は大変なことになってたと思う。
いつもの夫婦のやり取りが一つの命を救った。
またご主人と奥様の掛け合いが見られますように。
おっちゃん、がんばれ!