(※銃撃についての内容になっております。)
20数年前アメリカに短期滞在したことがある。
いつものように朝歩いていたら
「パン!パン!」と高い音がした。
その瞬間に周りの人たちがいっせいに低姿勢になった。
え?何?と立ちつくしていると
「なにしてんだ!死にてーのか!?」の怒鳴り声とともに近くでしゃがんでいた男性に頭を抑えられて、近くの建物に避難した。
その時にようやくさっきの音が銃声だったことに気づき、瞬間恐怖が身体を突き抜けた。
幸い発砲者はそのままどこかへ去り、けが人もなかった。
私はショックでガクガクする足で部屋に戻り、しばらく呆然とした。
これが銃社会なのか。
銃声って「バキューン」とかじゃないんだ。
知らなかった。
発砲音がしたらしゃがんだり伏せたりして避難するんだ。
知らなかった。
日本では知らなくても暮らせたから。
今回の元首相銃撃という痛ましい事件。
映像を見ても一回目の発砲音で驚いて腰が引けた人はいたが
とっさに伏せた人はいなかったように思う。
一般人なら当たり前。
知らないからだ。
けれどプロのSPや警護の人には動いて欲しかった。
それだけが悔やまれる。
発砲音がしたらまず伏せる。
それから避難する。
そんな知らなくてもよかったことを
知らなければならなくなった。
これまで刃物をもった危険人物を想定していた訓練も
銃相手を考えないといけなくなったり
学校への不法侵入の対策として地震や津波による避難訓練のような
銃撃による避難訓練もしなくてはいけなくなるのか?
実際、海外の学校などでは乱射事件などにそなえて避難訓練するのだろうか?
気になる。
今まで遠い世界だと思っていた銃社会が実は身近にあるのかもしれない。