大人の生徒さんが、
教室に入ってすぐ
カバンも置かず
「発表会で不快なことがありました!」
と吐き出すように言いました。

そして
「写真撮影で並ぶ時に、
高校生か大学生の女の子が
私の袖口を指でつまみ、
引っ張ったのです。

『こっちです』と声を掛けるならまだしも、
年下から
ゴミのように扱われて、
とても嫌な気持ちになりました!」
と息急ききって話し続けました。

私は
すぐに
その話の相手は想像でき、

その女の子は
決して悪気があってやっているわけではなく、
それどころか
とても親近感を持っていてる表れだと
確信できました。

さらに、
控え室で昼食をとっている時に
スタッフから
世間話をされた事に対しても

「あちらは私の事がわかっていても
私は面識がないので、
話しかけられても困る。」
と言ったのです。

私は
レッスン時間をフルに使って
ご本人の心のモヤモヤと向き合い、

生徒やスタッフに代わって
気持ちを代弁し、

本人が納得するまで
話し合いました。

この様な事があって、

人は
知らないうちに人を傷つけたり、
ふとしたことで
傷ついてしまったりするということを
改めて実感しました。

もしかしたら、
その人の中にある
傷ついた心が、
いつまでも
ずっと
本人を苦しめて
悲しませていたのでしょうか。

「昔…
あなたは『ゴミのように』扱われて
何も言えずに
傷ついていたことが
あったのではありませんか?」と、
さりげなくたずねると、

静かに上を向いて
遠くを見ていました。


MIAINA
ほえみ