キミの夢を見ていた 62 | ♪櫻葉さんと~徒然物語♪

♪櫻葉さんと~徒然物語♪

とうとうお話に手を出してしまいました。
※未成年の方、櫻葉さんの意味の分からない方は
  ご入室をお控えください

次の日の朝、潤の家にゲストルームの鍵を渡しに行った。
玄関を開けてくれたのは今日子さんで。

 


「おはよー、翔くん。・・・こちらが、もしかして、噂の相葉くん?!」

 


俺の後ろにいた相葉くんがペコリと頭を下げた。

 


「まぁー!キレイねぇ!これは、潤が振られるのも仕方ないわねー!」

 

「ちょ!今日子さん!!ヘンなこと言わないでよ!!」

 

「ふふふ。ウソよ、ウソ。どうぞ上がって行って。今、潤、シャワー浴びてるのよ。これから有岡くんとデートなんですってー。」

 

「いや、鍵、返しに来ただけだし。」

 

「そんなこと言わないで、あがっていってよ。潤と別れたら、もうあまり家にも来なくなっちゃうでしょ。」

 

「まぁ、そりゃ、前のようには・・・。」

 

「でしょ!だから!ね!」

 


俺は相葉くんを振り返って。

 


「じゃ、少しだけ・・・。」

 


リビングのソファに座るけれど、相葉くんが所在なさげだ。

 


「・・・なんだか緊張してる?」

 

「はい・・・なんでだか。」

 

「別に大丈夫だよ。潤のお母さん、あ、お母さんとかおばさんとか呼ぶと殺されるからな。」

 


俺がそう言ったところで、今日子さんとお手伝いさんがお茶とお菓子を持ってきてくれた。

 


「そうよー。今日子って呼んで。よろしくね、相葉くん。」

 

「あ、相葉雅紀です!よろしくお願いします!!」

 


相葉くんがわざわざソファから立ち上がってぺこりと頭を下げる。

 


「あれ、来てたの?」

 


潤が、上半身裸で髪を拭きながら出てきた。
相葉くんが、サッと顔を赤らめる。

 


「お前、なんか着ろよ。」

 

「別に俺の裸なんて、珍しくもないだろ。」

 

「そうだけど・・・って、そうじゃなくて。相葉くんが恥ずかしがってるだろ。」

 

「ふーん・・・その分じゃ、昨夜はキス止まりだな。」

 


相葉くんが、今度は火を噴きそうなほど真っ赤になった。

 


「ちょ!!潤!!おまっ!!何てこというんだよ!!」

 

「あら、当たりなの?せっかくのお泊りだったのに?」

 

「今日子さんまで!!!」

 


まったく、この親子は!!

 


「そういう潤は、有岡くんともうエッ チしたの?」

 

「ママ!!」

 


潤も慌てる。

 


「なーんだ。潤もまだなんじゃない。」

 

「うるせーーーー!!」

 

「ふふふ。潤も、翔くんも。可愛い後輩の恋人にはなかなかそこまでいけないのね。
いいなー。若いなー。楽しいわねー!!」

 


もうダメだ。
俺は鞄をつかんで立ち上がった。

 

 

「相葉くん!帰ろう!!」

 

「あ、はい!」

 

「えー。もう帰っちゃうのー!!」

 

「鍵返したし!じゃ!!」

 

「んー。じゃ、また来てね!相葉くん!別に潤がいなくたって、翔くんと遊びに来てくれて構わないのよ。」

 

「ぜってーー、ヤダ!」

 


俺はそう言い放って、長い廊下をつたって玄関に出た。

 


「ごめんな、相葉くん。うちの母親、あんなんで。」

 

「あ、いえ。そんな全然!」

 

「まぁ、また、翔と遊びに来てやってよ。」

 

「・・・はぁ。はい・・・。」

 

「じゃな。また学校で。」

 

「あぁ。じゃ、な。」

 


エレベーターに乗ると、相葉くんが大きく息を吐いた。

 

 

 

つづく