【冬嵐】~ ROMANCE a small trip in the snow 9 ~ | ♪櫻葉さんと~徒然物語♪

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とうとうお話に手を出してしまいました。
※未成年の方、櫻葉さんの意味の分からない方は
  ご入室をお控えください

「お邪魔しまーす。」

 

「うわー。超いいにおい!!」

 

「すげー量だな。」

 

「だって、やっぱ冬の北陸といったら、蟹でしょ!!」

 

「確かにな!!」

 

 

週末に市場から送った蟹が届いて、今夜は蟹パーティ。
みんなが席についたのを見計らって。

 

 

「はーい!お待たせー!!」

 

「何?コロッケ?」

 

 

俺はこれまた大量のコロッケをテーブルに運んだ。

 

 

「そう。この蟹のね、足とか食べにくい部分を使って、蟹クリームコロッケを作ってみました!
ほら、カズさん、そんなに海鮮得意じゃないじゃん。でも、これなら食べてもらえるかなぁ、と思って。
初めて作ったけど、なかなかうまく・・・。」


「超ーーうまそーーー!!!」

 

 

俺が話しているのを遮って、そう叫んだのは潤さんで。

 

 

「俺、蟹クリームコロッケ、超ーー好き!!!」

 

「え?そうだったっけ?」

 

「そうだよ!!大大大好きだよ!!!食べていい?食べていい?」

 


その剣幕に押されつつ。

 

 

「も、もちろん!どうぞ!!」

 

「いっただっきまーす!!うわ!トロットロ!」

 


みんなで潤さんが食べているのを注目。

 


「アツっ!アツっ!アツ!・・・うん・・・!超うめー。揚げたて蟹クリームコロッケ、超うめー!!」

 

「ほんと?」

 

「相葉、すげーな!めちゃくちゃうめーよ!」

 

「良かったーーー!!」

 


俺も、俺も、とみんなで手が伸びて。
あっという間にコロッケが売切れた。

 


「いや、潤がそんなに蟹クリームコロッケが好きだとは知らなかった。」

 

「え?そう?俺、外食先でメニューにあると結構頼んでるけど。」

 

「そうだったっけ?」

 


コロッケを食べた後は、やっぱりお土産に買ってきた日本酒で蟹をつまんでいた。

 


「で、どうだった?あの旅館、良かっただろ。」

 

「うん。最高だったよ。」

 

「念願の雪見温泉もできた?」

 

「うん!バッチリ!!初日、吹雪でどうなるかと思ったけど!!」

 

「いや、翔さんの引きの強さは健在だったってことだね。」

 


翔さんが、潤さんをジロっと睨んで、潤さんが肩を竦めた。

 


「楽しそうー。俺も行ってみたいー。」

 

「うーん。でも、俺は吹雪はヤダなぁ。」

 

「翔くんが行かなきゃ、吹雪になんねーだろ。」

 

「そっか。」

 

「ちょっと、そこ!!俺を雪男みたく言うな!」

 

「だって。」

 

「ねぇ。」

 

「本当のことだろ。」

 

「でも、確かに、着いた日のあの吹雪は酷かった!」

 

「雅紀までー。」

 

「まさか、飛行機が引き返すような事態になるとも思えなかったし。」

 

「言えてる。それはひどいよな。」

 

 

翔さんはプリプリ怒ってるけど、みんな大爆笑。

俺は空いた皿を下げにキッチンへ来た。



「雅紀?大丈夫?」

 

「うん。全然大丈夫だよ。」

 

「な、雅紀。」

 

「うん?」

 

「また行こうな。」

 

「・・・うん。」

 

 

もちろん、旅行は非日常で、すっごくすっごく楽しくて、あっという間に時間が過ぎたけれど。
でも、俺は、ここが俺の居場所だっていう、この空間も好き。
これからもずっと、このメンバーで。

 


「相葉ー!さっきの蟹クリームコロッケのレシピ、教えてー!」

 

「もちろん!俺もネットで検索したやつだけど。堂本さんに作ってあげるの?」

 

「うん。そうしてみようかなーって。」

 

「カズ!俺にも作って!」

 

「えぇーーー、めんどくさそうだなぁ・・・。」

 

 

ほら。
みんなの空気が温かい。
外は、まだまだ冬の寒さが居座っているけれど、きっと春はそこまで。

 

俺は翔さんと笑い合って、3人が待つテーブルへと戻っていった。

 

 

 

おしまい