4月10日はシブリングデー | 神経芽腫の娘のこと

神経芽腫の娘のこと

2017年12月3歳9ヶ月、小児がん神経芽腫と診断され、再発を繰り返しながらも懸命に生きた証、治療や娘との大切な時間をどう過ごしたか、それからの事、子どもを亡くした母親の気持ちを綴っています。2023年2月14日永眠。アメンバー申請の際は自己紹介メッセージをお願いします


「シブリング・sibling」という言葉を耳にした事はありますか?



ご存知の方もたくさんおられるかと思いますが、



シブリングとは、英語で兄弟姉妹の意味をもつ言葉。



そして、母の日、父の日のように、



明日、4月10日はきょうだいの日(シブリングデー)なのです。


(「きょうだい児」とは、重い病気や障がいのある兄弟姉妹を持つ子どものことを意味します)




シブリングデー。(引用させて頂きました)




始まりはアメリカで、日本ではまだまだ「きょうだい」という言葉に馴染みが少ないかと思われます。




この「きょうだいの日」を日本でも記念日として広めていくことで、



この日を、きょうだいや、きょうだいのように大切な人を想ったり、



天国のきょうだいを想う時間を過ごしたり、



病気や障がいのある子どものきょうだいに応援が届く日。



として、定着させたいと考えられた日だそうです。



数年前に、「きょうだい児」として、息子が取材を受けた事があります。



その時、息子は取材の方から、



「お母さんと妹が帰ってきたら、どんな事したい?」



と、尋ねられていました。



息子は、「(そばに)いてるだけでいい。」



そう答えていました。



その取材がきっかけで、私も「きょうだい」の抱える悩みや問題について深く興味をもちました。



そして、息子も、いつもは病気の妹ばかりで、自分にスポットを当ててもらったこと、



きょうだいも頑張っている。という事が放送され、



自信と安心に繋がったようです。



そして、そんなきょうだいを支える、



「シブリングサポーター」という心強い存在もいます。


シブリングサポーターとは、病気や障がいを持つ子どものきょうだいの応援団で、



そんなきょうだいの、もちうる気持ちについて勉強し、知識をもった方々なのです。



そんな心強いシブリングサポーターが、名大病院にはいました。



息子も何度もお世話になりました。



残されたきょうだいや、家で待っているきょうだいのことって、



忘れられがちで、どうしても後回しにされがち。



私も実際そうでした。



だけど、そんなきょうだいのケアも、病気の子と同じぐらいとっても大切で。



病気がわかり、入院生活が始まった時点で、



付き添い入院の場合、そのきょうだいは、



母親やそのきょうだいと離れ離れの生活を強いられる。



お母さんがいなくて寂しい。



病気のきょうだいは大丈夫なの?



自分もどうなるの?



と、急な出来事で、不安でたまらないと思います。



そんな、精神的苦痛を、早い段階から少しずつケアをしてあげたいのですが、



母親も残されたきょうだいと病気の子どもとの板挟みになって、



しんどくなる時もあったりします。



どうしても、病気の子を優先してしまい、



自分がもう1人いたら。と、何度も思いました。



そんな時に、病院側が、きょうだいの事にも気にかけてくれていたり、



そういう取り組みがあると、とても救われます。



実際、救われました。



以前にも書きましたが、名大病院では、



年に2回、「きょうだいの会」という取り組みがあり、



看護師さん、CLSさんと、きょうだい同士をzoomで繋ぎ、



ゲームやビンゴ大会をしたりします。



その中でも、病院案内といって、



看護師さんがカメラを回しながら病棟を周り、



ここがプレイルームで、ここが処置室で、ここがナースステーションで…



ここで普段みんな頑張っているんだよ。



と、きょうだいに、入院している環境を紹介して下さるので、



あ、いつもこんな所で頑張っているんだなぁ。と、実際目にすることで、そのイメージが伝わります。



そして、そのきょうだいの会が終わったあとにも、



「参加してくれてありがとう」



と、ビンゴ大会の景品とお手紙とzoomの様子の写真が贈られます。



4月10日のきょうだいの日(シブリングデー)には、



毎年、お手紙とチョコレートがきょうだいに贈られます。



「いつも家で頑張って待っていてくれてありがとう。



あなたのこと忘れていないよ。」



と。



家で待っているきょうだいにまでこんなに気にかけてもらえるんだ。



素晴らしい取り組みをたくさんしているんだなぁ。



と、転院してきてすごく印象に残りました。



そして、息子もきょうだいの会が大好きになり、毎回参加していて、



次第に、名大病院の雰囲気や、CLSさんや看護師さんの顔と名前も覚えるようになりました。



こうして、息子も病院関係の方と関わる場面が多く、



そんなシブリングサポーターの存在が心強かったです。



そして、先日「きょうだいのための本」と、お手紙が届いた時、



あ、名大病院の〇〇さんからか!!



と、どんな人から送られてきたのかな。というイメージも湧いただろうし、



何よりも、その人からのお手紙やその気持ちが嬉しかったかもしれません。



そんな方達との長年築き上げた関係があったおかげだと思います。



素敵な取り組みですし、



「シブリングサポーター」心強い存在です。



そして、息子にもグリーフケアが必要となっている今、



時には、そのような人たちに甘えて、頼ろうと思っています。



応援団はたくさんいるし、一人じゃないからね。



と、息子にも伝え続けています。



明日、4月10日はきょうだいの日。



違う形で頑張っている、忘れられがちなきょうだい。



そんな、きょうだいたちの悩みや頑張りを知ってもらえると、



周りの大人も、



「あなたも頑張ってくれてありがとう」



と、いう優しい気持ちになると思います。



そんな気持ちを伝える日であってほしいです。



私は、数年前に、この日がある事を初めて知りました。



多くの方に知ってほしいです。







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