幼馴染の涙 | 神経芽腫の娘のこと

神経芽腫の娘のこと

2017年12月3歳9ヶ月、小児がん神経芽腫と診断され、再発を繰り返しながらも懸命に生きた証、治療や娘との大切な時間をどう過ごしたか、それからの事、子どもを亡くした母親の気持ちを綴っています。2023年2月14日永眠。アメンバー申請の際は自己紹介メッセージをお願いします


四十九日を迎える前日、私の幼馴染の友人がお花を持って訪問してくれました。



葬儀にも来てくれていたのですが、ゆっくり話す時間もなく、



久しぶりにゆっくり話す事ができました。



幼馴染の友人は、私と家も近く、まだ幼児の幼い男の子と女の子の育児をしています。



そんな友人はこの日、



『私ずっと謝りたくて。』



と、涙を流し始めました。



『〇〇ちゃん(私)が大変な時、私何もできなかった。



おばちゃん(私の母)から何となく聞いていたけど、



連絡してもいいのか、何て声を掛けていいかわからなかった。



葬儀で気丈に振る舞っている〇〇ちゃん(私)の姿を久しぶりにみて、



あんな風にしーちゃんらしい葬儀を考えて、



見送ってあげて、すごいなぁって。



自分の母親の葬儀の時は、私、全然だめで。



〇〇ちゃんみたいにできなかった。



本当に凄いと、思った。



何をしていいか、どう接していいか、連絡もしていいものか迷って、



全然知らない事もあって、無神経に子どもの年賀状とか送ったりして、



配慮ができてなくて、本当に申し訳なかった。



結局、何もできなかった事を謝りたい。』



と、涙を流しながら話してくれました。



そんな事ないよ。。。



謝ることなんて、何一つない。



友人は、ずっと、良くなってほしいと娘のことを願ってくれていたし、



あの時の私は、きっと、そっとしておいてほしかったと思うから。



そっとしてもらう事が優しさでもあったからね。



元気な子どもを育児している人たちは、キラキラしているように見えて、



希望に満ち溢れていて、楽しそうで、



とにかく羨ましくて、見るのが辛い時もあった。



その友人の事ではないですが、



他の人の育児の不満を聞くたびに、



(悩みに大小あるわけではないのですが)
我が子が健康なのに、何の不満や悩みがあるの?



元気なんだから。



健康な体に産まれて、元気に成長していってることに、先ず感謝しないと…



病院では病と闘う小さな子どもたちがいっぱい。



健康な事は当たり前じゃないんだから。



と、思ったりしてしまって、捻くれていて、



そういう場所を自然に避けていました。(今もかもしれません)



そっとしておいてほしかったから、それで良かったんだよ。



その幼馴染の友人は、20年前に自分の母親を癌で亡くしています。



私も、その時、何もしてあげられなかった。



自分には何も出来ない。



自分が何かしたところで、きっと力になれない。



そう、思ってうやむやにここまできてしまった。



自分の母親に孫を見せたかっただろうし、



母親が居ない初めての育児も不安があっただろうし、



苦労した事もあっただろうし、



寂しい思いをして過ごしていたと思います。



私もあの時、何もできなかった。同じ。



この時、今でも申し訳なく思ってる事を私も伝える事ができました。



この時にも綴っていましたが、


その立場になって気付くこともある。



改めて、そう感じました。