鼻血が止まらない | 神経芽腫の娘のこと

神経芽腫の娘のこと

2017年12月3歳9ヶ月、小児がん神経芽腫と診断され、再発を繰り返しながらも懸命に生きた証、治療や娘との大切な時間をどう過ごしたか、それからの事、子どもを亡くした母親の気持ちを綴っています。2023年2月14日永眠。アメンバー申請の際は自己紹介メッセージをお願いします


2022年10月


ケモも終わり、一時退院が近づいてきた頃、





突然、急に大量の鼻血が出てきました。





娘は、今までほとんど鼻血を出さなかったので、






私も娘も慌ててしまいました。






ティッシュで押さえても全然止まる気配がなく、





看護師さんを呼び、鼻血を止めるスポンジを詰めてくれました。





『このスポンジは、止血しながら、血を固まらす成分が入っているので、





これを詰めててもまだ流れてくるようだったら教えて下さい。』





と、詰めてもらい、






数時間経ち、だらだら流れてくる様子はありませんでした。





食事の時間になりました。





『この詰め物のせいで、うまく食べれない。』





と、娘は訴えてきました。





看護師さんを呼び、先程とは違う看護師さんだったので、また一から事情を話すと、





一旦外してみましょうか。と言ってくれ、





詰め物を取ると、ぼたぼたぼたっと、





さっきよりも大量の鼻血が。





服も血で汚れ、ティッシュでは間に合わず、怖くなりました。





また、スポンジを入れ直してもらい、





さっきの看護師さんと違って、入れ方が強かったのか、





『痛いっ!!!』





と、娘は泣き怒りました。





『ごめんよ〜強く押し込まないと止まらないから〜』





なんか軽い。さっきの看護師さんの時は痛がらなかったのに。





まぁ、それでなんとか、止血は出来ているようでしたが、





『このスポンジに血が滲むような事がなかったら、





よっぽど大丈夫だと思うんですよね〜。





またこれで様子見て、それでも止まってなさそうなら、





当直の先生にちょっくら、診てもらいましょうかねー。』





って、そんなニュアンスで言われた記憶があります。





え??ちょっくら?ちょっくらってどういう意味??





何その感じ。さっきからなんか全てが軽い。






たかが、鼻血と思われたのか。






生まれてほとんど鼻血を出さなかった子が、






こんなにぼたぼたと流れる鼻血は心配になります。





血小板は、30万程あったのに、





どういう原因で出て、何故なかなか止まらないのか知りたかったのです。





アバスチンの影響なのか、





照射の影響なのか、





それとも、もともとの病気が原因なのか…。





あ、今回の入院時の抗原検査で、めちゃくちゃ奥まで綿棒いれられたなぁ。





それも原因なのかな…





と、色々心配事はたくさんあったので、





この看護師さんの軽い対応が少し気に障りました。





『いやいや、あまりにも多量に出血してたから、





今のタイミングでの出血原因も知りたいし、





何よりも心配だし、





小児科の先生いたら、話も聞きたいから、





出来たら診てもらいたいんです。』





と、お願いしました。





まだ18時ぐらいの出来事。





緊急と言われると、そうではないかもしれませんが、





そんな夜中ではなかったので、





どなたか居るだろうと。





数分後、娘の担当医がちょうどいたので、診てもらい、





止血の方法や、鼻血が起こり得る原因など話をして頂き、





翌日に耳鼻科の先生に診てもらうように依頼をかけてもらいました。





『このスポンジは、長い子で、数日詰めっぱなしにしてるから、





自然に取れるまで、無理に外さないようにして下さい。』





と、言われ、しばらくスポンジを詰めたままにしていました。





慣れない鼻血で怖かったそうです。






あんなに鼻から血が出たら、誰だって怖いよね。






たかが鼻血と思われたかもしれませんが、






普段、起こらない事が起きると、心配になります。






そこから、娘はこの時の鼻血がトラウマになり、






この先も、頻回に鼻血が出て、






出る度、涙を流し、






娘の中の不安な気持ちに追い討ちをかけてしまい、






かなりの精神的苦痛に陥ってしまったのです。