【マンガ感想】
『MIX 1巻 (あだち充)』
MIX 1 (ゲッサン少年サンデーコミックス)
あだち 充 小学館 2012-10-12 by G-Tools |
【あらすじ】
明青学園×あだち充、待望の第1巻!新連載予告発表以来、日本中で話題となったあだち充新連載「MIX」。全あだちファン待望のコミックス第1巻がついに発売!舞台は明青学園。同年同月同日に生まれた同い年の兄弟とひとつ違いの妹。上杉兄弟の伝説から26年、運命の兄弟は今再び明青学園の扉を開く。そして、物語は始まる---
名作・『タッチ』の26年後の世界を描く作品です。
親の再婚により兄妹関係となった『立花投馬』・『立花走一郎』・『立花音美』。
『立花投馬』はピッチャーとして、『立花走一郎』はキャッチャーとして野球部に所属しており、
『立花音美』はその兄たちを応援する吹奏楽部に所属している。 そんな3兄妹の日常が
描かれていく・・・。
というような内容の作品でして、血の繋がらない3兄妹が“明青学園中等部”で野球を
中心とした日常を過ごしていくという感じの作品です。
(↑『上杉達也』っぽいのが、唯一、血がつながっていない『立花投馬』)
そんな作品の主人公となるのが、『立花投馬』・『立花走一郎』・『立花音美』の3兄妹です。
この3人は子供の頃に親の再婚により兄妹となった関係でして、『立花走一郎』・『立花音美』
の2人は実際に血がつながっていますが、『立花投馬』は血がつながっていないという設定です。
(妹と血がつながっていないという設定から、名作・『みゆき』を思い浮かべる読者も多そう)
そんな3兄妹が“明青学園中等部”で学園生活を送ることとなりまして、兄たちは野球部で、
妹は吹奏楽部で活躍する姿が描かれていきます(『立花投馬』はピッチャーで、『立花走一郎』は
キャッチャーで、『立花音美』は吹奏楽のフルートを担当している)。
で、そんな作品の注目部分は、やはり“明青学園”が舞台である点ですね。
“明青学園”とは、あだち充先生の代表作・『タッチ』の舞台となった学校でありまして、
『タッチ』の主人公・『上杉達也』の活躍により26年前に一度だけ甲子園に初出場・初優勝を
したことのある学校であります。 そんな“明青学園”が再び舞台となったのがこの作品でして、
恐らく、『立花投馬』・『立花走一郎』の義兄弟が様々な困難に立ち向かいながら甲子園を
目指していくという感じで話が進んでいくのだと思われます(まあ、現時点で、中学生なので、
甲子園はかなり先の話になると思いますが・・・・)。
で、ここで注意点が一つ。
一応、“明青学園”を舞台としているのですが、1巻の時点で、名作・『タッチ』の接点は
この“明青学園”のみとなっておりまして、例えば、『上杉達也』や『朝倉南』などの『タッチ』に
関係するキャラクターや設定は一切ありません。 一応、『タッチ』の世界から26年後という
設定がなされているので、いずれ、何かしらの『タッチ』関連設定が登場してくるのでしょうが、
『タッチの続編だから買おう』と考えて買われると肩すかしを食らってしまう可能性が高いです。
あくまで、世界観が一緒なだけで、続編的な作品では無いということを理解をして買われるのが
良いと思います。 まあ、あだち作品なので、ファンならば、ハズレは無いですけどね。
とりあえず、1巻の時点では、話があまり前に進まなかったので、これからどのような感じに
話が進んでいくのか想像しにくいですね。 出来る事ならば、2巻は話のペースをあげて、
作品の方向性を示してほしいところですね。 次巻も期待したいです。
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【総評】
とりあえず、『あだち充先生の代表作・『タッチ』から26年後の話』という設定は上手いな、と。
『タッチ』の続編的な作品と名乗れば、現在はあだち充作品から離れてしまった読者を再び
引き戻せますし、実際に読んでみると『タッチ』とはほとんど関連性のない作品であるので、
『タッチ』を読んだことのない“月刊誌・ゲッサンの読者”も楽しめるという一石二鳥な作品ですね。
ただ、『タッチ』の続編を名乗っているにもかかわらず、『タッチ』の設定をほとんど活用していないと
いう点は、賛否の分かれるところだと思います。 まあ、『タッチ』の続編と考えずに読めば、普通に
楽しめる作品だと思いますが・・・。
点数的には、
80点
です。
では、ここまで。