「按摩(アンモ)でも行ッカー!」
同志M氏がいつもの如く、咆哮を発する。
ホントM氏は按摩が好きである。
と言っても、肩がこるから…腰が痛いから…って、
そんな理由は無いに等しい!!!
彼は、按摩ネーちゃん(正確には、整体技師)との会話が楽しみなのである。
こっちのには、按摩の専門店がそこらじゅうに立ち並んでいる。
そのマッサージを行う技師が若い女の子なのである。
彼女らは基本、足つぼを中心にマッサージを行が、
当然マンツーマンである為、その間のくだらない会話を楽しむのが
醍醐味となっている。
その会話の中から、
中国語を学んだり、中国人の文化に触れることが出来る。
中国初心者には欠かせない場所である。
最初の頃はペンとメモ帳を持参したものだ・・
いつもながら、暇なので参道した。
会社の門前で、白タクを待つ…
待つ…
「おっせー」
待つ…
「おっせー」
一向に来る気配がない!
シビレが切れ、白タクの運転手に電話をする…
M氏の笑顔が消え、温厚な彼が眉間に2山つくる。
「… … …。」
怒りを通り越し、不敵な顔で俺に内容を話す。
M氏が言うには、今から向かうそうだ…
「ハー!?」
待たせるのはイイが、待つのは嫌いだ!
M氏に断らせた。
「アーー!クソがぁ…」
??何で、そんなにヤバイかって…
その辺のタクシーを捕まえて行けばイイが、
その…その辺って言うのが、この竹・尾・田の この道には
ほとんど、タクシーが走らない…見かけても、停まってくれない。
ここは、田舎モン…貧乏人の村…誰がタクシーを使うか!!でっある。
…と、2人が天を仰ぎ、
諦めて、道を走るタクシーを探そうとした頃、
一台の高級車がやって来た…
フロントボディーに会社の街頭が眩しいくらいに反射する…
必要以上にピカピカに磨かれた、シルバーリングのエンブレム車は
会社のゲート前で停まる。
全面スモーク貼りの窓ガラスの後部座席から、
静かな電動音と供に、ゆっくりと窓が下がる。
ま・さ・か…
「你們去那里!」
うちの経理(社長)レイモンドだ!
いわゆる、老板:ラオパン(ボス)ってヤツだ!
われわれでも、めったな事じゃ顔を合わせない。
って言うか、彼は朝から晩まで忙しすぎるあまり、
われわれ日本人ですら、会う時間がほとんど作れないのだ。
前も、ようやくレイモンドとの会議の場を設けてもらった時、
5分置きに携帯がなって、対応していた。
実態を知り、どんだけ忙しいかと、びっくりさせられたもんだ。
となりの座席で兄貴のアンソニーが
シート手摺に肘をおろし、ほお杖を付きながら
ニヤニヤと笑っている。
こっちは、大老板(ダーラオパン)。
こっちが、会社の実権を握っている。
ほお杖を付く手に、いかにもって、金持ちがしそうな、
金の時計が、暗い室内で光る。
イカツいスーツがそれなりに、キマッていた。
兄貴の方の成り金趣味は有名である。
それに対し、弟レイモンドは誠実タイプといったところか?
じっさい、酒・たばこ・博打・女…その手の物は一切やらない。
オレらは、2、3度断ったが、
レイモンドに負けた…
つーか、乗る気満々であった、むしろラッキー!!
そう、M氏も心で叫んだに違いない。
ゲートが開き、
老板2人と、とりまき4名が車から降りると、
シルバーリングのエンブレム車は、
ゆっくりとゲート前へ戻ってきた。
運転手は、どうぞ!
と言わんばかりに、後ろのドアを開けてくれた。
行き先を伝えると、
車が走る…
全身皮貼りの座席に座ると、
前列の座席中央から、うしろ、3列目の座席中央まで
黒いスーツケースが縦に並んでいた…
(まさか現金!?)

マサカね、彼らは香港人であり、
先代(親・祖父)は、
香港マフィアだったと言う噂を聞いた事がある。
本当は、どうだか…
しっかし、レイモンド、アンソニーって!
よくも、そんなバリバリの東洋人顔でよく言える!!
香港人には、生まれてすぐに、
英語名を設けるらしい、
これは、ニックネームと違い
れっきとしており、戸籍にも載せるらしいが…
小さい頃から英語教育があるため、
広東語・英語は香港人であれば、普通に話せる。
それにしても…
老板の車ってだけで、座り心地がよかった!
それから…よくしゃべる運転手だ。
到着するまで、しゃべり倒した…
BIG BOSS に使える陽気な香港人。