相手側はトータルインテリア・伊玖伊那。 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

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好きになれない。  vol.269.

ドキドキ 悠里、ベッドに入りながら、
「とにかく、もぅ寝よ、寝よ。いよいよ、ラストスパートだ。」


そうなのである。もはや、夢蔵のコンペ、ならぬ争奪戦が2日後に控えていた。




そして…。当日。
インテリアショップ・ジョエル。トラディショナル事業部。

真宮、そして池辺、
「準備はいいか???」
「えぇ。」

優維香、悠里。そして、瑛子と阿寿沙、小埜瀬、
「はい。」



夢蔵の争奪戦は、文字通り、夢蔵本社にて行われる。
そして相手側はトータルインテリア・伊玖伊那。

颯爽と夢蔵の本社に入って来た。その面々。社長の梶美耶乃を筆頭に、秘書の五條尊。
そして開発統括課長の伊良部肇美(いらべはつみ)。
開発統括部主任の小野木郁美(おのきいくみ)。そして、以下社員たち。
開発統括部社員の寿聡院真登香(じゅそういんまどか)。
同じく、秋里中惠(あきざとなかえ)。真戸部好未(まとべこうみ)。


…そして…。それぞれが、名刺交換。

その時に初めて、梶、及び、尊も。…そして、 開発統括課長の肇美が頭の中で、
「この人が…。」

かつてのインテリアコレクションでの、あのインパクトが…。再び。
緊張を隠し切れないそれぞれ…。

真宮にしても池辺にしても…。
優維香、かつてない緊張感の中、そして…、悠里と瑛子、阿寿沙にハグされ。

そして、最後に、小埜瀬から、両肩に両手でパン。
「チーフ殿。出し切りましょう。」






…やがて…。15分後…。

悠里、瑛子、阿寿沙、完璧なるまでにガッツポーズ。

真宮も、
「良くやった。うんうんうん。」

池辺、目を潤ませて、
「お見事。うんうん、お見事。」

優維香、悠里と瑛子、阿寿沙にハグされながらも…。
そして小埜瀬とはハイタッチ。

そして…、次には…。





伊玖伊那のプレゼンが…終わろうとしていた。
ジョエルの面々の表情が…。


…ところが…、その頃…。ある場所では…。



奏が慌てて榊に、
「先生。」

榊、奏から渡されたスマホに出て、
「はい。榊です。」

電話の相手から…。

そして、話を聞きながらに顔色が…。
「なんと…。」






梶、プレゼンにニッコリと、
「お見事。」

ジョエルの面々が、
「これって…。まさか…。」
それぞれが顔色を曇らせて…。

優維香、小埜瀬に小声で、
「隆英さん。」
椅子にガッシリと座って構えている小埜瀬、こちらも優維香に、
「結果を待つ以外に…、ないでしょう。」

そして…、こちら。梶と尊。何ともやり遂げた顔で…。

実質、両社のプレゼンは…、甲乙付け難く…。
そして…。審査も難航した。


…やがて…。


榊、電話を終えて…、
「何と言う事だ…。まさか…、こんな事が…。」

奏、榊を見て、
「先生…???」

榊、目を虚ろに。
「優大君が…、亡くなった。」

その声に奏、
「えっ…???」

「心臓病…、だ、そうだ。」
「心臓病…。」




程よくして、夢蔵の争奪戦、審査結果発表。
僅差で、トータルインテリア・伊玖伊那、勝利。
梶、尊。そして、伊玖伊那の開発統括部の社員たちのガッツポーズ。

意表突かれての厳しい表情のジョエルの面々。
真宮、
「まさか…。」

池辺も、
「そんな…。インテリアコレクションよりも優れて…。」

今回の争奪戦の進行を務める夢蔵社員、両社に労いを。
そして伊玖伊那の面々との握手。

その後だった。

梶、一本の電話に。梶、それぞれに、
「ちょっと失礼。」

そして…、部屋を出て廊下に…。
「もしもし。お世話様です。梶です。」

電話の相手は、奏である。

話を聞きながらに梶。
「えっ…???」
いきなり鼓動が…。そして…、スマホに、
「どういう事ですか…???…日影さん。そんな…。」


つまりは、こういう事である。
いつも通り、祖母の敦盛基世(あつもりもとよ)が優大の部屋におやつのお菓子と飲み物を…。
その時に机の上に臥せっている優大を発見。
慌てて机に。白い紙にはまだ描き掛けの絵が…。
穏やかな表情で…。既に息はなかったという。
基世が慌てて救急車を。

そして、搬送中に、一度は、体を大きくばたつかせて反応はあったものの、
それも束の間。緊急外来で…。蘇生を施すも…。戻る事はなく。
医師の診断では、心臓病。
基世は医師に、優大の最近の事を問われるが…。正直に事の経緯を…。

医師、
「そうですか~~。そういう事が…。まっ。憶測にはなるのですが…。蓄積されたものが一気に心臓に…。…と、言う事でしょう。」




梶、奏との通話を終えて、すぐさま肩をガックリと…。
スマホを持つ左手もダラリと。

戻って来ない梶を気にしての尊、ドアを開けて梶に。
「社長…???」

梶の耳には、呼ばれた声が聞こえていなかった。

尊、再び梶の傍に…。
「社長…???」

ようやく…。
「あ。あ、あ、うん。うんうんうん。」

尊。梶の顔色を見て、
「どうか、されました…???顔色が…。」
しかも、梶、僅かに目に…。

瞬間、鼻を啜って、尊に、
「あん。うん。大丈夫。」
そして梶、息を吸って、吐いて…。








好きになれない。   vol,269.   相手側はトータルインテリア・伊玖伊那。

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