優維香、思わず背中に感じる汗、「うそうそうそ。」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

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好きになれない。  vol.226.

ドキドキ 優維香、思わず背中に感じる汗、
「うそうそうそ。」
そしてスマホを見て、
「うそ~~~。」
いきなり目を真ん丸に。そして右手を口に、
「な、なんで…???」

更に聞こえてくる声、
「もしもし…。柿崎さん…???」

「わわわわわ。もしもし。」
いきなり口の中の物をゴクリと。顔を右左に髪が揺れる。
「やだ、私。」

「もしもし、小埜瀬ですけど…。何か…???」

右手で髪を思いっきり頭の後ろに手繰り寄せて…、
「あ、あ、あ、あ~~~。私…。」
また口の中の物をゴクリと。
「あ、私…。あ、あの。」

「はい。」
小埜瀬の声。

優維香、頭の中で、
「…どうしよう~~。もぅ~~~。」
そして、出て来た言葉が…。
「あ、あの…。す、すみません。」

小埜瀬の声、
「は…???…え…???」

優維香、スマホに、
「ご、ごめんなさい。…な、なんでもありません。すみません。失礼します。」
いきなり指でトン。

通話が切れる。

そのまま、優維香、フリーズ状態。そして…。そのまま、頭をガックリ。髪がダラリ。
そして…。がっしりと目を瞑って。
「あ~~~ん。どうしよ~~~。なんで~~~???…んもぅ~~。なんでリーダーに電話、しちゃうかな~~。信じらんな~~い。」

数秒…。

優維香、またスマホを。そしてラインの画面からひとりを。そして、指でトン。

2回のコールで相手が出る。
「はい。どしたの優維香~~。」
悠里である。

優維香、開口一番。
「あ~~ん。どうしよ~~。」
その途端、優維香、
「えっ…???」
瞬間、目を右左に。

悠里の声、
「はっ…???…えっ…???」

優維香、また、
「えっ…???私、何やってんの…???」
そして次に、悠里に、
「ごめん。間違えた。切るね。」
またもや通話を、指でトン。


ベッドでうつ伏せでのままでネットのショップのアイテムを見ていての突然の優維香からの電話。
そして突然切れて、
「は…???…何…???…今の…???」
そして画面をラインに。そして指でトン。けれども何度コールしても…。ようやく、
「ちょっと、どうしたのよ~~。いきなり電話掛かってきたと思ったら、いきなり切れるし~~。何かあった~~???…優維香~~???」

スマホから聞こえる声。
「もしもし。…ごめん。また明日。」
そして。
「寝る。」

通話は一方的に、切れる。

「はあ…???…何なの…???」
数秒、悠里、画面を見たまま、右目を歪めて、ポツリと、
「何なの…。」




佐津香も既にベッドの中。そして…、さっきの優維香との話のやり取りを思い出して、
口を噤んで。…やがて…。ニッコリと。
「優維香…。あんた…。」
そして、
「あの子…。ふふふふ。」
ニッコリと。






部屋でシャワーを浴びて上半身裸、パスタオルを首から下げての小埜瀬。
スマホをテーブルに置いて、顔を傾げて、
「今のは…、一体…何…???…柿崎さん…???」






翌朝、会社で…。トラディショナル事業部。
いつも通り、早めに出社している悠里。

そんな悠里に、こちらも早めに出社が日課となっている小埜瀬。
部署に入って、すぐにカップにコーヒーを注ぎながら、
「さすが、冴島さん、いつも、お早い。おはようございます。」

悠里、そんな小埜瀬を見て、
「あ、おはようございます。そう言うリーダーも、早いですよ~~。」

小埜瀬、カップのコーヒーを啜りながら、ニッコリと。
「ははは。まま、私は、何て言いますか、長年の習慣で。」

悠里もニコニコと、
「いい習慣ですよね。」
そして、
「あらためて、リッツカルバン、おめでとうございます。」
座ったままでチョコンと頭を下げて。

その声に小埜瀬、ニコニコと。そして顔を左右に振って、
「いえいえいえ。でも、あれは、柿崎さんがしっかりと、デザインしてくれたから。とにかく、素晴らしい~~。ははは。」

「あら。その言葉、優維香が聞いたら喜びますよきっと。…けど…。…でも、さすがですリーダー。」

小埜瀬、その声に、
「はい…???」

「だって…。優維香がデザインしたとは言え、でも、あのデッサンはしっかりとリーダーのイメージですから。」
「確かに。そうですけど…。けれども、デッサンはやはり…、たかが、デッサン。それをしっかりと形のあるデザインをして認められる。これは凄い事です。さすがに柿崎さんです。」

悠里、そんな小埜瀬に、
「あら。ふふ。ますます優維香、喜びます。」

ニッコリと、小埜瀬。

そして、次から次へと出社してくるメンバーたち、
「おはよう~~。」
「おはようございます。」
「おはようございま~~す。」

そして、優維香が、
「おはよう~~。」

いきなり悠里。椅子から立ち上がり優維香に。

優維香、
「おはよう。」

すぐさま優維香の右腕を捕まえて、
「おはよう。」
優維香を引っ張る。

「悠…???」

悠里、
「ちょっと、ちょっと…、こっち。」
部署の隅の窓際の方に。

悠里、優維香に、訝しそうな顔で、
「何なのよ、昨日のあの電話。」

その声に優維香。いきなり右目を閉じて、そして今度はなんとも顔を崩して。
「ゲッ。」








好きになれない。   vol,194.   優維香、思わず背中に感じる汗、「うそうそうそ。」

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