「…私のさ。…ある意味…、勝手な想像…。」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

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好きになれない。  vol.226.

ドキドキ 菜帆子も実は、コンペの仕事を自宅に…。そんな折の愛結美からの電話。
「いやいやいや。全然、頭の中、追い付かないんだけど。密着~~~???」

愛結美、椅子に座って麦茶を飲みながら、
「うんうんうん。さっきね、課長から電話があって。」

菜帆子、思わず右目を歪めて、
「課長…???…なんで…???」

愛結美、
「実は~~。」






優維香、母から話を聞いて、
「いやいやいや。ビックリだね。」

佐津香、冷蔵庫からウーロン茶を。
「うんうんうん。私と課長も、び~~っくり。」

優維香、
「うんうんうん。」
ソファの上で胡坐を搔きながら。

佐津香、
「生まれて初めてだよ、密着取材なんて…。凄いスケール。」






菜帆子、愛結美の話を聞きながらも、
「へぇ~~ぇえ~~。課長の前の~~。はは。しかも…、何…???…佐津香さん、サイン~~。色紙に~~~???…はは。さ~~すが~~、プロ。」

愛結美、ニコニコと、
「うんうんうん。…これから…、ますます、忙しくなってくるよ~~。」

菜帆子も、ニコニコと、
「うんうんうん。だね。」

愛結美、スマホに、
「…と~~~、もうひとつ。」

その声に菜帆子、
「うん…???」

「ちょいと、これは~~。…私のさ。…ある意味…、勝手な想像…なんだ…、けど~~。」

菜帆子、
「ふん…???」

愛結美、口を真一文字に。そして、何かしら嬉しそうに、
「実は~~~。………。」



菜帆子、話を聞きながらに、
「…うそ。」
そして、
「え~~~~~~~~???」







隆英と賀寿恵、レストランでの昼食を終えて…。

隆英、外から店を。
「なんとまぁ…。人気グルメの店。」

賀寿恵、頷きながら、
「そうだったんですね~~。」


そして…。隆英、賀寿恵に、
「さて。次は…。」

賀寿恵も、
「はい。」







そして、夕方。

隆英、賀寿恵に、
「あっ、ここです。この家。」

賀寿恵、ゆっくりと車を徐行させて、
「あ、へぇ~~~。素敵な家~~。」
賀寿恵、
「シェアハウス。うんうんうん。」


丁度、車が一台止められるスペースがある。そこに車を止めて。

隆英、
「では。」

賀寿恵も、
「はい。運びましょうか。」

さすがにひとりでは数回、往復になってしまう。日用品やら食材やら…。
そして、細々としたものを…。そして…、アプローチの前を…。

家の表札を賀寿恵、チラリと見て、
「かしわださんちの家…???」
思わず顔を傾げて…。

そんな賀寿恵を見て隆英も、ニコニコと。
「変わった表札でしょ。」

賀寿恵、目をパチクリと。そして、
「えぇ…。」
顔を傾げながらも…。

そして…。玄関のチャイムを鳴らして…。

中からの声。
「は~~い。」

隆英、
「小埜瀬です~~~。」

スピーカーからの声、
「あ~~。はいはいはい。どうぞ、どうぞ。ドア、開いてますから~~。」

玄関を入ると…。思わず、賀寿恵、開口一番、
「おっ洒落~~~。」

そして、隆英と顔を合わせて…。

隆英も、
「はは。」

遠くからいそいそと、
「はいはい。お疲れ様~~~。」
ペタペタとスリッパの音。

金髪の髪のトップからややずれたところでゴムで留め、そのゴムにも、
何かしらアクセサリーのようなものが施されてある。
僅かの前髪が前にさらりと。黒縁のメガネ。服装と言えば…。正に和風ジプシー。


隆英、頭をペコリと。
「こんにちは。小埜瀬です。」

金髪女性、眼鏡の奥の瞳が優しそうに、
「はいはいはい、小埜瀬さん。いらっしゃ~~い。」
柏田智子(かしわだともこ)、70歳である。

隆英の隣で賀寿恵、その女性を見た瞬間に、
「えっ!!!嘘っ!!!柏田先生~~。作家の~~。」
荷物を持ちながらの賀寿恵、女性を見てビックリ。

柏田、そんな女性を見て、こちらも目をパチクリ。

隆英、賀寿恵に、
「弓さん。柏田さん、ご存じだった…???」

柏田、そんな女性を見てニッコリと、
「おやおやおや~~。」
そして小埜瀬に、
「彼女さん…???」

その声に隆英、思わず照れながらも、首を振って、
「あ、いえいえ。」
そして、賀寿恵を見て、
「私の恩人の…、パートナー的、存在の人。…とも、言えば、良いでしょうか…???弓さん。」

賀寿恵、その声に少し赤面して、
「え…???…えぇ…。」
けれども賀寿恵、頭の中で、
「…凄い。ベストセラーの作家の家~~???…マジで…???」

柏田、
「かかかか。さすがに荷物。」

隆英、
「あ。はは。えぇ~~。今迄は…、片手間の荷物程度…だったんですけど…。今回は…、さすがに…、本腰入れてって…感じに、なりますか…。」

柏田、ふたりにスリッパを。
「はい。どうぞ~~。」

賀寿恵、玄関を見て、
「凄~~い。広~~。」

そんな声に柏田、恥ずかしそうに、
「何言ってんですか、広さばっかり取柄の家ですよ~~。はははは。」

隆英、賀寿恵に、
「麗子さんの家みたいでしょ。」

確かに。柏田家、七瀬麗子の自宅と同じ大きさの建物…、でも、ある。

柏田、
「小埜瀬さん、部屋は分かってますよね。けど…。はい。ご案内~~。」








好きになれない。   vol,178.  「…私のさ。…ある意味…、勝手な想像…。」 

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