吉竹、「佐津香さん、何とまあ、人気~~。」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

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好きになれない。  vol.269.

ドキドキ 小埜瀬、
「今回の…、その…、雑誌社の方が…、何とも…、偶然と言うか…。担当が…、男性の方なんですけど…。」

吉竹、またコーヒーを、
「あ~~。うん。」
話を聞きながらに、
「へぇ~~~ぇえ~~。小埜瀬さんの仙台の~~。」

そして、聞こえてくる小埜瀬の声。

吉竹、
「う~~~わっ。何それ~~。へぇ~~~。佐津香さん、何とまあ、人気~~。」

スマホを耳に小埜瀬、ニコニコと、
「えぇ~~、全く。」

その話を聞きながら佐津香、運転しながら、口パクで、
「ありがとう~~。」

小埜瀬、
「そんな訳で、部長、電話で、申し訳ありませんが、報告させて頂きます。」

その声に吉竹、
「あ、いや。全然。」
小刻みに顔を左右に、そして、
「構いません。それより、わざわざ、ありがとうございました。」

スマホの向こうで小埜瀬の声。
「…では、取り急ぎ、ご連絡まで。」

吉竹、
「あぁ~、ありがとう、気を付けて。」

スマホから、
「はい。」

そして、通話は切れる。

助手席で小埜瀬、
「まずこれで、部長には報告完了。」

佐津香、コクリと。
「ありがとうございます。」

そして小埜瀬、
「そして…っとぉ。」
スマホの画面に指をトン。


テーブルの上のスマホにラインの通話の着電。
「はいはいはいはい。」
水道で手を洗い、そしてタオルでその手を拭いて、
「はいはいはいはい。」
愛結美、スマホを持って指先でタップして、
「もしもし、お疲れ様です。愛結美です。」

小埜瀬、前を見ながら、
「あ、愛結美さん。小埜瀬です。終わりました~~。今、ラスクから帰っている車の中です。」

椅子に座っての愛結美、
「車の中…???…あ~~~。はいはいはい。もしかして、佐津香さんの車。」

頷きながら小埜瀬、
「えぇ~~。…でね。理江子さんの…、その…、紹介したい人って…。」

愛結美、
「えぇ、はい。」
そして、話を聞きながら、
「えぇ~~~。」
目を真ん丸に、
「いやいやいやいやいやいや。え~~~???…密着取材~~~。うっそ~~。」

小埜瀬、スマホを耳にしながらも佐津香に、
「同じインパクト。」

運転しながらの佐津香、
「確かに。私たちだって、驚いたくらいだから~~。」
そして佐津香、小埜瀬のスマホに向かって、
「愛結美さ~~ん。私もびっくり~~。」

小埜瀬、
「…と~~。」
スピーカーで。

愛結美の声、
「うんうんうん。だよね~~。まさか、雑誌とテレビの密着なんて~~。テレビ番組内だけの話って思ったけど~~。」

佐津香、運転しながら、
「だよね~~。」

愛結美の声、
「へっ…???…佐津香さん、今、運転…。」

小埜瀬、
「スピーカーです。」

「あ~~~。道理で。」

佐津香、
「…でね~~。その…、雑誌社の方が~~、何と…。」
小埜瀬をチラリと見て、
「課長の仙台時代の時も~~。プロジェクトチームで、お世話になった人なんだって~~。」

スマホから愛結美の声、
「へ~~~。凄~~い。何とまぁ。課長~~。」

小埜瀬、
「いやいやいや。僕の方がビックリですよ、いきなり言われて、うそって。」

「えっ…???…いや…、課長はご存じなかったんですか…???」
「あ、いや…。僕は知らなかったです。あの頃の雑誌の担当者は別の人で…。」

佐津香、
「恰幅の良い、女性の方~~。」

その声に愛結美、
「あ~~。確か。酒豪の。」

佐津香、スマホに、
「うんうんうん。」

小埜瀬、
「そして、もうひとつ。」

愛結美の声、
「えっ…???」

「何と。その雑誌社には、佐津香さんのファンがいる~~。」
「ファン。…???…ん…???…あっ。もしかして、挿絵。」

「ビンゴ~~~。人気ですよ佐津香さ~~ん。はははは。」

愛結美の声、
「へぇ~~~。挿絵のファン。…って~~事は…、お子様…???」

佐津香、
「うん、そう。多分、出版社、何処の出版社かは分かんないけど、絵本、見てくれてるみたい。ありがたい~~。」

「…で、佐津香さん、色紙にサイン、頼まれちゃったりして。」
「うそ。」

「ほんとです。…とにかく、驚く事ばかりで。」

スマホからの声、
「ですよね~~~。ははは。…何だか課長、妙に嬉しそうな声、ですよね~~。はははは。」

その声に一瞬、小埜瀬、目をパチクリと。
「へっ…???」

「佐津香さんの話になったら、声のトーン、上がりましたけど。」

瞬間、佐津香、口を搾って、目が…。

小埜瀬、小さく、
「えっ…???」

スマホから聞こえてくる愛結美の声、
「とにかく。お疲れ様でした~~。連絡、ありがとうございます。いつ来るか、いつ来るかって…、待ってたんですよ~~実は。」

小埜瀬、その声に、
「はは。」
そして、
「はい。しっかりと、ご連絡、致しました~~。」

スマホを耳に、そのまま椅子から立ち上がり、冷蔵庫へと愛結美。
「あ、で…、この話、部長には…???」

スマホから小埜瀬の声、
「あ~、はい。既にもぅ。」

「了解。わざわざ、ありがとうございま~~す。」
冷蔵庫から麦茶のポットを…。








好きになれない。   vol,176.  吉竹、「佐津香さん、何とまあ、人気~~。」 

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庄司紗千「海をこえて」
※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。

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