梶、「顔を撮られるのを嫌がる。」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

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好きになれない。  vol.226.

ドキドキ 梶、
「顔を撮られるのを嫌がる。…だから、決っしてカメラの前では…。先生とのツーショットは…。頑なにお断りさせられたようで…。」
ワインを一口。そして梶、バッグの中からファイルを出して一枚の写真を尊の前に、
「これ…。」

遠くからの写真。それに…、長髪の横顔の写真。

尊、
「いや…。これだけ…って…。言うのは…。ちょっと…。彼だとは…。無理が…。」

「うん。」
梶。
「まぁねぇ~~。とにかく敏感。カメラを扱うのはプロ中のプロ。…だから、かも、知れないけど、少しでも自分にカメラが向けられると、その瞬間、シャットアウト。」
そして梶、両手を組んでテーブルに両肘を就いて、
「…けれども…。とにかく…、雰囲気が…。」

尊、写真を見て、梶をチラリと、
「名前が…。」

「イニシャルだけ…。」

尊、そして、ふたり同時に、
「T、O。」

梶、
「確か…。小野瀬隆英…???」

「小埜瀬…。」
目をパチクリと、尊。そして、両目をキョロキョロと…。
「…ん…???」
そして、
「確か…???」
尊、顔を傾げて、
「さっき…、ジョエルの真宮部長、詠一さんに何か…。」





「それでは…。」
小埜瀬。優維香、悠里、そして瑛子にも飲み物が届けられているのを見て、
「飲み物が揃ったようで。」
小埜瀬が音頭を取って。

優維香、悠里、そして瑛子が、
「うん。」
「はい。」
「お願いします。」

小埜瀬、
「今日は、ありがとうございました。そして、これからもよろしく。と、言う事で、乾杯。」

3人も、
「か~~んぱ~~い。」

4人共に、ゆっくりとグラスの中の飲み物を…。

瑛子、
「さて。何食べようか。」

悠里、
「まだ食べんの…???…瑛子さん。」

その声に瑛子、
「当たり前でしょ。こんなイケメン相手に出来るんだから、逆にお腹、空くでしょ。」

その声にビールを飲んでの小埜瀬、いきなり、
「ブッ。」

優維香、
「キャッハハハハハ。」

悠里も、可笑しがりながら、
「リーダー、ちょっと~~~。」

小埜瀬、自分の口を左手で拭いながらも、
「ちょっと、ちょっと、武蔵野さ~~ん。揶揄わないでくださいよ~~。」

その声に瑛子、
「いやいやいや。だ~~って~~。本当の事だから~~。」

悠里、小野瀬に、
「…って、瑛子さん、まだ結婚して2年目。」

優維香もニコニコと、
「うんうん。」

小埜瀬、目を丸く、
「えっ…???…そうなんですか…???」

悠里と優維香、両眉を上下に。

小野瀬、瑛子に、
「武蔵野さん、まだまだ新婚じゃないですか~~。いやいやいや。」

悠里、
「ほら。私たちのトラディショナル事業部の他に~~。カジュアル事業部、それと…。」

小埜瀬、
「えぇ~、モダン事業部、それから、ラグジュアリー事業部。」

優維香、
「うんうんうん。」
メニューを見つめている瑛子を見ながら、
「そのラグジュアリー事業部の…、私たちよりは年齢では大先輩なんだけど~~。」

悠里、ニコニコと、
「そこの、瑛子さんのひとつ年上の先輩と、結婚しちゃったって~~、訳。」

小埜瀬、目を真ん丸にして、
「おやおや。へぇ~~。」

「…って、これも何かしら…、赤い糸で…。ねぇ~~。瑛子さん。」

瑛子、まだメニューを見ながら、
「えぇ…???…あぁ、うん。」
そして両眉を上下に。
「まぁ…。ねぇ~~。」
ニンマリと。

小野瀬、優維香と悠里、それぞれを見ながら、
「えっ…???…赤い糸って…???」

悠里、ニコニコ顔で、
「うんうんうん。つまりは~。」

瞬間、瑛子、
「ハ~~イ、ストップ。」
悠里の左側に右手の平を。そして…。
「う~~ん。…つまりは…。私の高校の時の1年先輩~~。…って言うか、彼が…。…って、今は、旦那だけど~~。高校2年の時に、親の仕事の都合で九州引っ越したのね~~。」

小埜瀬、
「へぇ~~。」

優維香、ニコニコ顔で、
「うんうん。」

瑛子、
「でぇ~~。私はここ、トラディショナル、入社して8年なんだけど~~。3年前に、その彼が、この会社にいるの。」

悠里、その話に、
「かかかかか。ねぇ~~。」

瑛子、目を真ん丸に、
「えっ…???…うそっ。て、思って~~。そしたら、向こうも、何で…???…って。…もぅ~~。そこから話がねぇ~~。」

優維香、ニコニコ顔で、
「うんうんうん。」

悠里、小野瀬を見て、
「瑛子さん、高1の時に、彼にバレンタイン、送ったの。」

小埜瀬、
「おほほほほ。」

瞬間、瑛子、
「悠里~~~。」

間髪入れずに悠里、瑛子を見て、
「わっ。」
口に手を。

優維香、そんな悠里を見て、
「かかかかか。」

瑛子、
「まっ。でも…、彼…。他にもチョコ、貰ってたからね~~。」

悠里、
「でも、瑛子さん、しっかり彼にラブレター。」
瞬間、また悠里、
「わっ。」
再び口に手を…。

小野瀬、
「おやおやおや。…じゃあ~~。それで…、何年振りかでその人と再会して。」

瑛子、ニッコリとした顔をして、
「うん。」








好きになれない。   vol,129.  梶、「顔を撮られるのを嫌がる。」

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