小埜瀬、辺りを見て、
「ちょっと…、すみません。」
そそくさとして椅子から立ち上がり…。
優維香、悠里。そして池辺、小埜瀬に、
「あ、はい。」
そして、席に就いた真宮に池辺、
「社長から…???」
真宮、その声に、口をへの字にして小声で、
「あ、あ~~。」
池辺、そんな真宮の表情に、
「えっ…???…へっ…???…って、どうしたの…???」
真宮、目を真ん丸に、
「ま、まぁ~~。なっ。」
「…って…。えっ…???」
「仕方ねぇだろ。社長にも、小埜瀬さんの事。」
池辺、
「あ、あ~~~。」
小埜瀬、部屋を出て、
「あ、はい。隆英です。」
いきなりスマホから、
「な~~にやってんのぉ~~。あんた~~。」
隆英、その声に、
「うっ。」
「今、真宮に聞いたけど、大丈夫なの~~~???」
大きな声。
小埜瀬、その声に、
「あ、え~~。あは。ははははは。」
悠里、優維香に、
「リーダー、誰からだろ。日本に来て、そんな…、誰か…。」
優維香、少しばかり、気になりそうな…。
「あ…、うん…。」
池辺、真宮に小声で、
「えっ…???…じゃあ~~。小埜瀬さんの事。」
真宮も、
「あぁ~~。…って言うか…。だって、あの顔じゃ、会社行ったら。」
「あ、あ~~。うん。…確かに。…あ、でも…。」
「それにな…。」
隆英、スマホに、
「まっ。いや…。体の方は別に。」
スマホから、
「気を付けてよ~~。とにかく。これから忙しくなってくると思うし~~。」
「はい。分かっております。」
「…で…???…楽しんでる…???」
隆英、部屋の方を見て、
「え…、えぇ~~。中々賑やかに。」
「あ~~ん。そう。それなら良かった。賀寿恵も心配してるから~~。」
隆英ニッコリと。
「はは。賀寿恵さんにもよろしく。」
その声に麗子、
「あら。あなたから、賀寿恵さんって言うの…、珍しいわね。」
瞬間、傍にいる賀寿恵、ビクン。
隆英、麗子の声に、目をパチクリとさせて、
「へっ…???あ、いや…。…そうですか…???…別に…。」
麗子、ニッコリと、
「うんうん。ま、いいわ。…とにかく、体、大丈夫なのね。」
隆英、スマホに、
「はい。」
麗子、
「ふん、じゃあ~~。楽しんで。」
隆英、
「わざわざ、ありがとうございます。」
通話は切れる。隆英、目を真ん丸に、
「ふぅ~~~。なんとも…。」
そして、
「まっ。仕方がねぇか。この顔…だからなぁ~~。」
池辺、真宮に、
「へぇ~~~。梶社長が~~。」
真宮、ビールを飲みながら、
「あ~~~。…なにやら…、社長の連れが店主と…って…。」
「何か…、繋がりが…???」
真宮、下唇をビロンと。
「いや…。分からん。何も聞いてないんでな。」
「ふ~~ん~~。」
小埜瀬、自分の席に戻って…。
真宮、小さな声で、
「社長から…???」
優維香と悠里、小埜瀬に、
「お帰りなさい。」
小埜瀬、そんなふたりに笑顔で小さな声で、
「ただいま。」
そして真宮を見て、コクリと、
「えぇ。ま。この顔じゃ…仕方ないですよ。会社に行けば…。」
優維香と悠里、
「あっ。そうっか、社長から…。」
優維香、
「あっ。でも…。」
小埜瀬、ふたりを交互に見て、
「えっ…???」
「明日は会社、休みだし。」
その声に小埜瀬、目をパチクリとさせて、
「あっ。そうか…。」
悠里も、
「あ、うんうん。土日休みだし~~。」
優維香、
「ガーゼ、剥がせる…、かも…。」
思わず小埜瀬、ニッコリと。
「ですよね~~。はは。」
池辺、
「ふふ。」
そして…。たちまちの…、歓迎会、終了~~。
部屋から出てくるメンバーたち。それぞれに、
「美味しかった~~。」
「うんうんうん。」
「楽しかった~~。」
の声。
店員たちも、
「ありがとうございました~~。」
そして、店の中のあちらこちらを見ながら…。
すると…。あるテーブルで食事をしているふたりの女性に、真宮、池辺。
しかも、そのふたりの女性も真宮と池辺に気付く。
その距離感、凡そ3メートルほど。
当然の事ながら、この人も、その女性に気付く。小埜瀬。
「あっ。」
ふたりの女性、伊玖伊那の梶美耶乃。そして、五條尊。
しかも…、そこに詠一と舞華も厨房から出て来て。
詠一、麟に、
「おぅ。ありがとうな。」
麟、そんな詠一に、
「おぅ。ご馳走様。」
そして真宮、梶とその隣の女性に近づきお辞儀を。
「お世話様です。」
梶も、真宮に椅子から立ち上がり、
「お世話様です。」
小埜瀬、ふたりを見て、
「……。」
そんな小埜瀬を見ながらの優維香と悠里、
「リーダー…???」
梶、その姿を見ていきなり目を丸く。そして、鼓動が…。けれども顔を見て、
「……。」
尊も同様に。
梶、その男性を見てゆっくりとお辞儀を…。
真宮、梶に、
「えっ…???」
小埜瀬を見て、
「梶社長…。…彼を…。」
小埜瀬、女性を見て、軽く会釈を…。
優維香、小埜瀬に、
「リーダー…。知ってるんですか…???」
その声に小埜瀬、優維香を見て、
「えっ。えぇ~~。」
そして詠一、梶と一緒の女性に、
「お嬢さん、ありがとうございます。」
麟、その声に、
「お嬢さん…???」
池辺と舞華、思わず目をパチクリと。
好きになれない。 vol,124. 小埜瀬、辺りを見て、「ちょっと…、すみません。」
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庄司紗千 「雫音〜shizukune〜」
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。