佐津香、
「うんうんうん。決まってるお店があると良いよね~~~。」
フライパンで具材を炒めながら。
優維香も、
「ま、ね~~。って言うか、もう、部署内では団体で馴染みになっちゃってるから。何たって団体割引。しかも…、身内の会社だからって、負けてもくれる。」
佐津香、その声に頷いて、
「な~~るほど、そっちもあるよね~~。」
「それにだよ。お店のご主人、部長の従兄なんだけど、そのお嫁さん。奥さんも何とも課長の大学時代の同期って言うんだから~~。」
「うんうんうん。それも聞いた~~。」
そして佐津香、
「まっ。ウチの部署は、何とも、ここじゃなきゃダメって言うのがなくて…。ま、確かに、同じお店にするときもあるけど…。大体は、あっちこっち。まっ。お店を知るって意味では、いいけどね~~。…で…???肝心のその…リーダー、どんな感じ…???」
その声に優維香、口を尖らせて、
「ふん。ん~~~。まだ…、全然分かんない。彼は彼なりに。…ってか、電話応対で…、関わっている時間、ないない。」
右手をヒラヒラとさせて。
すぐさま佐津香、
「ぷ。」
そして料理を皿に。舌をチロリと。両眉をチョコンと上下に。
「確かに。それは言える。スタッフコレクション金賞さまさまだもんね~~。」
「それこそ、おかあさんの方の~~。その人、どぅよ~~???…どんな感じ…???」
「ん~~~。まだ…、日が浅いからね~~。どんな…。…それに…。私も個人的には、彼とは、話した事はない。」
「うそ。」
「いや。ほんと。はい、出っ来上がり~~。食べよ、食べよ。」
「わお。美味しそ。…ってか、マジで…???…まだ話したことないの…???」
「ないないない。…だ~~って、私自身の仕事って、他の人が関われる仕事でもないし。殆ど私が一任されている仕事だから~~。それに…。逆に、私の仕事を部署内で誰が出来る…???…って言ったら、誰~~れもやろうとしないでしょうね~~。…と言うか、出来ない。」
優維香、
「へぇ~~~。いっただきます。」
食べながら…。
佐津香、
「でも、吉竹と愛結美さんは、結構、会話あると思うけど…。」
「ふ~~ん~。な~~るほどね~~。まっ。ウチの歓迎会は、来週の金曜日~~。おかあさんたちとは、1週間のずれね~~。」
上着のポケットのスマホに着電。
「おっと。」
小埜瀬、吉竹と峻に頭をコクリと、
「ちょっとすみません。」
武一、頷いて、
「おぅ、おぅ。」
峻も、
「へぃ。」
頭をコクリと。
小埜瀬、トイレの入り口近くの壁に。
「もしもし。あ~~俺だ。」
「もしもし。あ~、俺。」
「うん。どうした…???」
「いや。どうしたって言うんじゃないんだけど…。…仙台の方…、どんなかな~~ってね。」
モダン居酒屋レストランのカウンターで隆英。
「親父、飯どうしてんの…???」
その声に瑛士、
「飯どうしてんのって、おま。そりゃ、食ってるよ。」
チラリとカウンターの方を見て。
「今も食ってる最中だけど…。」
「ふ~~ん~。…ひとりで…???」
「あん…???…いや…。ひと…り…じゃ~~、ねぇけどな。」
「うそ。マジ…???…もしかして…、女…???」
間髪入れずに、
「んな訳ねぇだろ。」
「いやいやいや。…親父くらいだったら、女のひとりでも…。いたって…。」
途端にスマホから聞こえる、笑い声。
「かかかかか。…それこそ…。…んな訳ねぇだろ。こんなおっさんに~~~。…って言うか、おまえこそ、飯は…???」
隆英、
「あ~~、うん。まっ。これから…。だけど…。」
「今、おま…。東京の何処いんの…???」
ドリンクのお代わりに隆英、右手を、口パクで、「ありがとう」
そしてスマホに、
「渋谷だけど…。勤務先が近くなんだ。…で…、会社の人に教えてもらってね。」
「へぇ~~。会社の人~~。女か~~。」
その声に隆英、
「あぁ。うん。そぅ。以前から、面倒見てもらっててね~~。」
「へぇ~~え~~。そっか。女か。」
「何よ、その、女かって…???…って、頼る人、その人しか今は、いねぇから。まっ。その人との話で、日本に来たような…。」
瑛士、
「おっ、おぅ~~。そぅか…。うん。おっと。人、待たせてるから。」
「あ、あ~~。うん。じゃ。」
「おぅ。おまえも、頑張れよ。」
「あぁ。…あっ。親父。たまには、東京、顔出せよな。」
瞬間、瑛士、声を詰まらせたような感じで、
「あ、あ~~。はは。おぅ。」
そして、通話は切れる。
店主が、
「お客様…。」
そして入り口の方に手を。
隆英、振り向いて…。そして、ニッコリと。
瑛士、席に就いて。武一と峻に、
「すんませんでした。」
武一、
「いやいや。…で…???電話の…???」
そこまで言って武一、
「お~~っと~~。これは…、ちょいと無粋な…。かかかかか。」
そして、
「すまん、すまん。」
小埜瀬、左手を振って、
「いえいえ。…倅から…でして。」
好きになれない。 vol,073. 「決まってるお店があると良いよね~~~。」
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