「…そんな訳で、この4人の他に、もぅ2人。」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

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好きになれない。  vol.225.

ドキドキ 「菊村阿寿沙。」
池辺。

小埜瀬、
「あぁ、はい。」
目だけチラリと左右に。

池辺、
「この2人だけは、ジョエルが、立ち上がって、2年目に入って来たの。今のメンバーの中では一番、現役が長い。ただ、真宮とか私は、管理者候補として入ったから。ただ、真宮は何かしら、取締役とも、他の部長たちとも、繋がっているみたいですけど。…そんな訳で、この4人の他に、もぅ2人。」

小埜瀬、
「もぅ2人。」

「えぇ。この2人も今で言えば、柿崎優維香と冴島悠里と同等。でもあの時は…。何が何だか分からなく、何で立ち上がって、まだ2年のウチが…って…???」

黙って聞いている小埜瀬。

「お待たせしました。ナポリタンとドライカレーになります。」

いきなりのウエイトレスに、ふたり共に目はウエイトレスに。

そして…。

池辺、
「では…。頂きますか。」

小埜瀬も、顔をコクリと。
「えぇ。頂きましょう。」






悠里、
「でも…。何かしら…。」
右肘を就いて右手中指指先をこめかみに当てながら、
「感じたんだけど~~。ある意味、ワイルド感は…、あるよね~~。」

その声に優維香も瑛子も、
「あ~~~、うんうんうん。」

瑛子、
「それはある~~。」

優維香、
「まっ。それに~~。確かに。…部長じゃないから、なんだけど~~。…スーツじゃなくって正解~~ぃ。」

今度は悠里、顔を2度程コクリ、
「うんうんうん。それ~~~。ガッチガチのビジネススーツじゃなくって、サラリとしてる~~。」

優維香も、頷いて、
「確かにね~~。」

すると、瑛子の机の電話が。瑛子、
「おっと。」
また椅子をスライド。
「はい。インテリアショップ…。」

悠里、
「ノーネクタイ。しかも…、ジャケットの中はTシャツ。それに、色違いのパンツ。そして、ヘアはレイヤーロング。」

優維香、
「うんうん。」
そして、
「身長は~~~。」

悠里、
「あん。それはもぅ~~。部長と同じ~~。」

目だけ上に優維香、思い出すように、
「あ、うんうんうん。確かに。」

「…で…。ふたり…、並んだ時の印象~~。つまりは…ファーストインプレッションは…???」
今度は悠里、両肘を机に、両手に顔を乗せるように。

「ファーストインプレッション…。」
優維香、口を捻じ曲げて~~。
「う~~ん。……まっ。昨日とはまるで別人。全く、インパクト、受けなかったから~~。」

続けざま悠里、
「匂いは…???」

「匂いっ!!!」
目を左右に…。机の上に、両膝を…。そして軽く両手を組んで…。
「無…、香料…。…と、言うか…。ん~~~。匂い…、感じなかったなぁ~~。」






「へぇ~~。家庭の事情で…、退社。」
小埜瀬。

「えぇ~~。物凄い発想の持ち主だった。インテリアデザイナーとしても優秀。まっ。私よりも、デザイナーとしたら、上みたい…???…な、感じ…。…ただ、管理としては…。」
右手人差し指を口元に、池辺。


「へぇ~~。櫻田初美(さくらだはつみ)さん。」
頷きながらの小埜瀬。

「そして、もぅ一人が…。」
池辺。
「この人は…、若い。私たちより20歳も離れていたから。…けど…。寿退社。八木沢美緒(やぎさわみお)って人。この人も、若くしてインテリアデザイナー。」

「おやおやおや。…では、トラディショナル事業部には、3人のインテリアデザイナーが…。」

その声に池辺、
「えぇ…。でも…。どうして…、3人と…。」

「あ、いや…。池辺さん、今、仰ったでしょ。私よりも、デザイナーとしたら、上みたい…???…な、感じ…。って…。」

瞬間、池辺、照れるように、両手を口に。
「アハッ。そうでした。」

「それに…。…昨日、柿崎さんからも、そんな感じのニュアンスを…。」

池辺、思わず眉間に皺を。そして、軽く顔を右に傾げて、
「えっ…???…柿崎…。」
目をパチクリと。
「優維香…。」

「あ、はい。…聞くと、昨日のあのインテリア、実は、デザイナーのインテリアではないと…。ただ、デザイナーはひとりいるんですけど…って。」

その声に池辺、今度は笑顔になって、
「あ~~~。えぇ~~。」
「…で…、池辺課長が、インテリアデザイナーと…。」

池辺、その声に、照れながらも、
「そぅ…だったんですね~~。」






その頃…。ある会館の一室で…。

日影奏多(ひかげかなた)が、椅子に座っている男性に近寄り囁き掛ける。
「先生…。…………。」

先生と言われた男性。日本経済団体連合会、専務理事。榊神埜進(さかきじんのしん)。
「おや。そうですかぁ~~。帰って来ましたかぁ~~。」

「先生にお伝えくださいと。今日の朝に、連絡を…。」
「そうですか~~。それは何より。…では、また、面白く、なりそうですねぇ~~。」

奏多、嬉しそうに、
「そのようで…。」

「では奏多、私の方も連絡受けて、嬉しいですよ。と、連絡して差し上げなさい。」

一礼して、奏多、
「畏まりました。」

そして、机の上の電話が鳴る。受話器を手に…。
「そぅですか。はい。通して差し上げて。」








好きになれない。   vol,066.   「…そんな訳で、この4人の他に、もぅ2人。」

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